あなた視点
憂鬱な気持ちを抱えながら歩く。
はぁ茜くんとお店行きたかったなー…
(あぁ言っちゃったんだろう。)
と思ったと同時に、
誰かに手を繋がれた。
手から体温をじんわりと感じる。
夢じゃない。触れられる。
いきなり手を引かれて茜くんの
胸の中にぽすんと入った。
…あったかい。
「 心配したんだよ。 」
温かさにも声色にも安心して、
体の力がすっと抜ける。
倒れる私を支えてくれた手は優しくて、
私が頷くと本当に嬉しいというように
満面の笑みを浮かべてくれた。
茜くんが差し出してくれた手を
取り、私達はお店へ向かった。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!