第4話

交わる人生のカーベルザラート
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2025/02/15 12:30 更新













…突然誘われた、唐突な言葉。



神を、殺す。



異能力を授かる要因、そして異形が蔓延る原因である、神を殺す。
そんなのどうやって行うのだろうか?
上位存在であり、姿すら目視出来ないような神。
不確かな計画に加担する。それがどんなに危険かは分からない。



戸森めめ
ヒナさんの異能力「道標」。
きっとそれを使えば、計画は順調に進む。
戸森めめ
なあに、どうってこと無いですよ。
ただ私に撞いてきてくれればいい。




戸森めめ
…ヒナさんの目的は何ですか?


柊鳴ヒナ
…えっと…にぃ……家族を、探すことです。

私は、戸惑いながらも伝えた。言葉遊びが巧みじゃない私に、
誤魔化しも、お茶を濁すような表現は出来なかった。

こういうところで素直な私が、嫌いで好きだ。

戸森めめ
…お兄さんを探し出すことですか?




戸森めめ
…もう一度、問います。
私の、協力者になってくれませんか。

めめさんは、私の手を取って、語った。
身長差が後押しして、同性だというのにドキドキしてしまった。
それ以前の、雰囲気オーラが大人びていた。
それはまるで、リップサービスを溶かした
ほろ苦いビターチョコのようだった。

真っ直ぐで、光を伴うその瞳が、私の視線と重なった。
ああ、瞳の奥に吸い込まれそう。
目の奥は、青空と宇宙の境目みたいだった。


柊鳴ヒナ
え、あっと…

戸森めめ
大丈夫です、嫌だというならば
私は金輪際ヒナさんに関わりません。
強制では無いですので。

めめさんは、私の手を優しく離した。
それから遠い星を眺めて、笑顔のほころびを見せた。

…何度も言う。めめさんは美しかった。
美貌だけではない。人生、雰囲気、言動全てが、
私のありとあらゆる感情を起伏させては鎮めた。

戸森めめ
ヒナさんの願い事…目的は、必ず、必ず。
叶えます。達成させてみせます。
絶対にお兄さんに、会わせてみせます。

話の途中で、ふっとめめさんが微笑みながら
鳥が羽ばたくような瞬きをした。
戸森めめ
私についてきてくれれば、
世界各地のあらゆる場所を探索します。
それならば、ヒナさんにも
利はあるのではないでしょうか?
徒歩や自転車では、到底遠くには
行けやしない。離れすぎては、
避難所に帰れなくなってしまう。



…それはあまりにも、甘美で淫らで魅力的な売り文句だった。
その言い分は、私の心を釘付けにして、釘抜きを使う暇も無かった。




戸森めめ
どうしますか?来るか、来ないか。




急かすように再度質問をされる。
そうしている間に腕時計の秒針は歩んでいて、
考えている暇なんて無いことを告げられる。



柊鳴ヒナ
___わ、私っ、その…
えっと…ちょっと…。

























戸森めめ
…そうですよね。
見ず知らずの私にそんなこと言われて、
信用できるわけ無いですよね。
何でも無いです。今質問したことは忘れてください。

突然のことに、開いた口が塞がらない。
言葉が発せずにいたら、めめさんはしょげてしまった。
大きく開いていた目は萎むように閉じられ、
生き生きとしていた背筋と首を大きく傾けた。

柊鳴ヒナ
ちょ、待って、待ってください…
戸森めめ
いいえ。去る者は追わず来る者は拒まず。
遠慮しなくていいんですよ。
いきなりすいませんでした。
では、さようなら_____


…哀しい、少し寂しい表情のまま、
めめさんは振り向いて、向こうへと行ってしまいそうになった。
骸骨はそっと消失して光となり、
光は少しずつめめさんの後をついていった。








…このチャンスを、逃してしまったら。
私はどうなるだろうか?





柊鳴ヒナ
________あ









どんどんかけ離れていく、めめさんの姿。
髪が揺れて、腕が波を打つのが分かる距離。

私は一歩踏み出した。

















私は___________












































アンケート

めめさんの後を
ついていく
95%
ついていかない
5%
投票数: 128票







































夜空は、二人だけを見つめた。
遥か上空の星々と、僅かな月明かり。

まるで、人類と神に興味が無いように
呑気に光は笑っていた。


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