…突然誘われた、唐突な言葉。
神を、殺す。
異能力を授かる要因、そして異形が蔓延る原因である、神を殺す。
そんなのどうやって行うのだろうか?
上位存在であり、姿すら目視出来ないような神。
不確かな計画に加担する。それがどんなに危険かは分からない。
私は、戸惑いながらも伝えた。言葉遊びが巧みじゃない私に、
誤魔化しも、お茶を濁すような表現は出来なかった。
こういうところで素直な私が、嫌いで好きだ。
めめさんは、私の手を取って、語った。
身長差が後押しして、同性だというのにドキドキしてしまった。
それ以前の、雰囲気が大人びていた。
それはまるで、リップサービスを溶かした
ほろ苦いビターチョコのようだった。
真っ直ぐで、光を伴うその瞳が、私の視線と重なった。
ああ、瞳の奥に吸い込まれそう。
目の奥は、青空と宇宙の境目みたいだった。
めめさんは、私の手を優しく離した。
それから遠い星を眺めて、笑顔の綻びを見せた。
…何度も言う。めめさんは美しかった。
美貌だけではない。人生、雰囲気、言動全てが、
私のありとあらゆる感情を起伏させては鎮めた。
話の途中で、ふっとめめさんが微笑みながら
鳥が羽ばたくような瞬きをした。
…それはあまりにも、甘美で淫らで魅力的な売り文句だった。
その言い分は、私の心を釘付けにして、釘抜きを使う暇も無かった。
急かすように再度質問をされる。
そうしている間に腕時計の秒針は歩んでいて、
考えている暇なんて無いことを告げられる。
突然のことに、開いた口が塞がらない。
言葉が発せずにいたら、めめさんはしょげてしまった。
大きく開いていた目は萎むように閉じられ、
生き生きとしていた背筋と首を大きく傾けた。
…哀しい、少し寂しい表情のまま、
めめさんは振り向いて、向こうへと行ってしまいそうになった。
骸骨はそっと消失して光となり、
光は少しずつめめさんの後をついていった。
…このチャンスを、逃してしまったら。
私はどうなるだろうか?
どんどんかけ離れていく、めめさんの姿。
髪が揺れて、腕が波を打つのが分かる距離。
私は一歩踏み出した。
私は___________
アンケート
めめさんの後を
ついていく
95%
ついていかない
5%
投票数: 128票
夜空は、二人だけを見つめた。
遥か上空の星々と、僅かな月明かり。
まるで、人類と神に興味が無いように
呑気に光は笑っていた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。