第7話

異形とアリアドネの糸
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2025/02/27 16:00 更新







階段の先に、バーのような扉が立ちはだかっていた。
未成年の私がいてはいけない、そんな大人な雰囲気を纏わせて。

扉の周囲の静かな光。ルクスがあまりにも低い。
例えるなら、昭和レトロな喫茶店。
その昭和も、今や百数年前の大昔の話だけれど…
まさに、秘密基地。めめさんの後ろ髪に、
僅かなる時間と光の狭間が入り乱れた。

松明のような照明が、揺れる揺れる。



扉の向こうから、何かを感じる。




戸森めめ
入りましょっか~!!
ヒナさんも疲かれているでしょうし、
まずは身支度してから就寝しましょう!
柊鳴ヒナ
え、あ、っはい!!


屈託のない、爽やかな災いのある笑み。
気遣ってくれるのは嬉しいが、
その言葉に裏が無いか少し心配に思えた。

めめさんの清らかで白魚のような右手が
金のドアノブに触れて波を打つ。





扉は、開かれ、ルクスが一瞬にして広がった___


























柊鳴ヒナ
…嘘




扉の向こうは、夕焼けの差し込んだ地下室。




おかしい。




私は腕時計を確認した。


…朝の、八時。
先程と数分程度しか変わらない。

そして記憶を蘇させた。
さっき、階段を下りて地下室であるここに来た。



なのに、なのに、夕陽も窓もある。






柊鳴ヒナ
…め、めめさ……
戸森めめ
…まーたアイツか……

めめさんが小さく舌打ちを鳴らす。
目つきが鋭く、めちゃくちゃに悪い顔をしている。
先程の笑みが歪んでいる。



柊鳴ヒナ
ここ、どーなってるんですか……!?
柊鳴ヒナ
だ、だってここ地下室で……。
今は午前八時のはずで、えっと…
戸森めめ
…私の協力者の一人に狂科学者マッドサイエンティストがいてですね。
そりゃもういい迷惑。そいつの異能力は…
色んなものをあやふやにする、
曖昧そのものにしてしまうような
イカサマみてーな異能力なんですよ。
ま、素直で子供ガキっぽいので
そこそこ長い目で見てるんですが。

クソでかため息をついて、めめさんは続けた。

戸森めめ
そいつも協力者の中じゃ
一番かわいいワケなんですよ。
これからはヒナさんがマトモ枠に
なるべきですね。
柊鳴ヒナ
え、えーっと……はい!!
…はい??
すぐにめめさんは切り替えて、
私の手荷物をそこら辺のソファーに置いた。


…よく見ると、なんだか温かい部屋。
本棚も暖炉もソファーもあるし、
ラグも分厚くもふもふ。

あるはずのない
夕日がその雰囲気を後押しして、
奥行きのある部屋だった。

キッチンからテレビまで、
何から何まで揃っている。

何一つ不自由の無さそうな、
変哲の無い豪華なスペースだった。




戸森めめ
…は~~~~、ちょーっくら休憩。
ヒナさんもこっちきて休みましょうや~



めめさんは軽い手招きをした。
それも表の雰囲気ではなく、
ハイライトの飾らない瞳。
曇った瞳で瞼は濁っていた。

柊鳴ヒナ
大丈夫です、私ちょっとマジで寝たくて…
戸森めめ
あ~そうなんですか?
だったら先に部屋案内しないとですよね…

よいしょ、と腰を持ち上げようとしためめさん。
私は申し訳なくて、道案内を断る。

戸森めめ
…あれ?いいんですか?
柊鳴ヒナ
あ、まあ申し訳ないですし……
それに私、異能力「道標」ですから!!!
戸森めめ
…あ、はいそうですか……
柊鳴ヒナ
え、渾身のギャグスルーされた……
戸森めめ
ふふ、まあ面白かったです…よ…はい……











戸森めめ
はい……
柊鳴ヒナ
絶対それ面白かったって思ってませんよね!?!?!



めめさんは咳払いをして、私に近づいた。
…身長が高い。160cmぐらいだろうか。

戸森めめ
これ、お守りです。


そういって私の手に渡したのは、
数センチ程度のフラスコ。
黒いゴム製の栓付きで、その中には
エメラルドグリーン色の有色透明な液体が。

それは夕焼けに反射して、
ラメのようなものがキラキラと
遠吠えを繰り返していた。








柊鳴ヒナ
…?
これ、何ですか……?綺麗ですけど…。
戸森めめ
ああ、それね。協力者の一人が作ったやつ。











戸森めめ
それがあれば、一回だけ、異形に近づくことなく異能力を発動することが出来るんです。




























柊鳴ヒナ
…え、そんな貴重なアイテム貰っていいんですか!?
戸森めめ
ああいいんですいいんです。
惜しみなく使ってくださいね。

めめさんは再び、ソファーに座りべちゃっと崩れた。











柊鳴ヒナ
…でもここって…隠れ家?というか
シェルターですよね、どうしてこれを…?





















戸森めめ
…あー、そうでしたそうでした。

めめさんの、雲隠れした瞳。
そこから真意が伝わった。




























戸森めめ
協力者の一人が、今ここにいるんですよ。
ヒナさん含めずあと四人いるんですが、
その内の一人。シェルターに今いるんです。



めめさんは指をさした。
そこは、出入口扉ではなく、

再び地下に近づく階段があった。
それは温かみのある設計ではなく、
まるで病院の様な
白く漂白剤をばらまいたような白さ。

木犀の床から雪までの境目は
違和感が凄かった。

そこは、夕焼けが立ち込めなかった。











戸森めめ
そこから地下、部屋がいくつかあるんです。
あ、ヒナさんの部屋はちゃんとありますよ。
柊鳴ヒナ
あ、よかった。
戸森めめ
んで、本題です。











戸森めめ
そこにやべぇ協力者バケモンいるんで。














柊鳴ヒナ
…え?












戸森めめ
そいつ厄介なのが、異能力強い上に
身体能力自体、協力者の中で群を抜いて
最強なわけなんですよ。
しかも情緒不安定で、
安定してる時はいいものの
不安定な時は…大分ヤバいです。
常に永遠に安定してりゃあね!!!
協力者の中で一番有能なんですけどネ!!!













柊鳴ヒナ
…その人と出会ったらどうなりますか?











ん-、とめめさんは他人事のように言い放った。




























戸森めめ
最悪殺されますね。
だから逃げて。全力で。
部屋にさえ入れば追ってこないんで。































柊鳴ヒナ
…え゛、
















今だけは、めめさんが無慈悲に見えた。
無いはずの夕焼けが、私を見ている。



めめさんは、微笑んだ。





戸森めめ
さ、これが協力者の最初の試練だと思って!!!
いってらっしゃーい!!!!!!!!!!









とびっきりの笑顔。ぶん殴りたい。













戸森めめ
あ、私ついていかないから。
柊鳴ヒナ
酷い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




































???
…ふーん、ヒナさんかあ。
異能力…そこそこ強そう~。
年齢は怜と同じ…?












一人の存在…異形の様な風貌の存在が、
地下で安定した情緒で過ごしていた。



???
…楽しめるかな?












一人の存在の情緒は、












すでに不安定になりかけていた。





























































協力者№.3 ████

異能力:
██である██に、██である██が███km██に
██していれば、██を██して██することが出来る。

目的 :██凌ぎ。██も█さえも愛しており、
██者の中ではイレギュラーな██。
█なので戸██めに██するという
復██もなければ忠█心も無い。

備考 :非常に█████であり、██すると████、
████、███、█████の異能力を██しても
抑えることがままならない。しかし、██が安定さえ
していれば、非常に█が良く力も█く、
更には異██が██さえしていれば
一時的に不██死の██にもなる最█の異██者である。
█能力の使いすぎで、体には██の第三段階が
██しており、これ以上██力を使うと██に
変█してしまう可██がある█一の協█者である。
























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