
おおはらMENside
俺は、仲間の死んだ意味を守るため、
ルントウを……あいつを殺すことにした。
俺は模倣したあいつの能力【瞬間移動】を使って、
あいつの背後に行き、その背中を剣で刺した。
あいつは、能力でその場を離れ、
一旦俺から距離を取り、生きようとしていたので、
刺していた剣を、あいつの体の中でねじって、
能力を使う暇を与えなかった。
そして、あいつに俺は告げた。
__刹那、あいつは笑った。
死にそうになりながらも笑うその姿は、
醜さを通り越して、
神妙なように思えた。
最期を迎え入れる準備が出来たように、
あいつは笑った。
あいつは、逝った。
俺は、泣いた。
俺は今まで、自分の意志で殺めたことはなかった。
必ず、そこには「誰か」が介入していた。
子供の頃、銃を「持たされていた」。
今日だって、戦争で「出兵させられていた」。
だから……!
今も俺は……仲間の無念の「ため」に
刺したと……思って、思い込ませていたんだ……!
俺は、今日【模倣】した奴等の中に、
【死者を蘇らせる】能力があったことを思い出し、
仲間を生き返らせた。
ルントウは、死体を持ち帰って、
頑丈な拘束器具で拘束してから、生き返らせる。
本当は生き返らせたくなんかなかったが、
あいつを殺した意味と思っていたものもなくなったので、
そうすることにした。
ただ、一人だけ、生き返らせることができない者がいた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。