「日本、清をオレにくれよ♪♪」
…と。
ニコニコと人好きするような笑みで、アメリカさんは笑うのだった。
今はもう、十九世紀である。長い江戸時代は終わり、私は再び日本と呼ばれるようになっていた。
「アメリカさん…どういう意味ですか?」
「そのままの意味だ。オレは清が欲しい。もう、独立したんだ。オレが植民地を増やしても良いだろう?」
「…貴方は、大きいでしょう?これ以上、デカくなる必要はありません。」
実際そうだろう。私の直轄領土よりも、彼の直轄領土の方が、大きいのだから。植民地含めても、ソレは変わらない。
アメリカさんは、私が清へ積極的に攻め込まないのは、私が戦争で弱っているからだと、当たりをつけたらしい。
「日本、、いいや、父さん。息子へ誕生日プレゼントくらい、送って欲しいものだな?」
「………貴方を息子だと思ったことは、一度もありません。私はイギリスさんとは、違います。」
「だろうな」
そう言って、アメリカさんは一歩、一歩と私へ近づいてくる。そうして、私を見下ろした。
「日本が見ていたのは、オレじゃない。ただ、オレによって得られる利益を見ていただけだ。」
あの頃の可愛らしいアメリカさんは、どうやら居なくなってしまったらしい。
昔言っていたイギリスさんの言葉を真に受けているのだ。私が彼を支配をする訳は、利益の為だ、、と。あの時、私が否定した事など彼は覚えて居ないのだろう。
どうやら、交流が薄れてしまった間に、彼と私の間に、大きな溝が出来ていたようだ。
本来であれば、時折会って会話をして、光源氏計画を進めるべきであった。しかし、私は各所に作り上げた植民地たちの世話や、清殿、戦争、南下政策を進めるロシアへ目を光らせていたので、彼との会話の時間がメッキリ減ってしまったのである。
…あぁ、でも良かった。今のアメリカさんは、私の知っているアメリカさんと、そう変わりない。
コレなら、私は心置きなくアメリカさんを愛する事が出来るだろう。
「父さん」
そう言って、アメリカさんが私の頬に手を当てて、じっと熱い目線を向けてくる。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。