○年○月○日
痛い…もう、心の痛みなのか体の痛みなのか、区別がつかない。
シンドイ。よ_______________________________________
もう無理だ。
頬を打つ音は止まらない。
頬を伝う涙は止まらない。
頭に響く怒号は止まらない。
これを綴る手も止まらない。
きっと、もうすぐ、全部、
止まらなくなる。
善意はもう僕の中から姿を消し始めてる。
悪意が絶対権力になってる。
こんな僕なんて…ヤだよ…。
でも、もう、遅い。悪魔が微笑む。
悪魔の微笑。
「もう…終わりにしよう?」って言ってる。
笑顔を作らないと…みんな、気分が悪くなる。
…よね?
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…親からの暴力を『虐待』というらしい。
僕にその『虐待』とかいうのが始まったのは小学5年生ぐらいだったと思う。
僕の最初の『虐待』は今まで決して手を挙げなかった親が手を挙げたことだった。最初は働きすぎでストレス発散させてるだけかと思った。でもだんだんとそれはエスカレートしてきて、もので殴られるようになった。
ものさし。
はさみ。
す スマホ。
●コップ。
数え出したらキリがない。
唯一の兄弟であるおねぇちゃんも、見て見ぬふりをしてた。暴力、暴言を受けてておねぇちゃんの方をみてもおねぇちゃんは目を逸らすばっかりだった。たぶんおねぇちゃんは僕とおんなじめに会うのがイヤだったんだと思う。
何かいうたびに、
何かするたびに、
失敗するたびに、
「お前に何か言う権利なんかない」
「この役立たず」
「姉を見習え。水無月家の恥だ。」
ばり雑言を浴びせられる日々。
もうこんなの、うんざりだ。
ダメな息子でごめんなさい。
最期に、ひとつ、わがまま聞いてくれる?
この手紙をさ、クラスメイトのアヤちゃんとゆーに渡して欲しいんだ。言いたいことがあるからさ。
別に見てもらっても構わないよ?
たぶん、アヤちゃんとゆーにしか分かんないと思うからさ。うん。
さようなら。
お母さん。
お父さん。
おねぇちゃん。
アヤちゃん。
ゆー。
今までありがとう。
僕のしょうめつで、幸せになってね。
《手紙》
アヤちゃんへ
涼しげな夜はやっぱりいいね。
霧が出てるともっといい。
大地に遠くまで川が続いてるのはすてき。
でも、きっとそれは三途の川。
月が昇るときは僕がしょうめつするとき。
月は、きっと真っ赤。
太陽があなたの人生に昇りますように。
それは、きっと幸福の色。
《手紙》
ゆーへ
太陽はやっぱり強い。
それは生命の色であり、幸福の色
野原の草みたいに僕は抗っていた。無駄なのに。
それは小さな事だけど大きな死の実になった。
しょうがないって思って。
僕が勝手にしたから、君は気にしないで。
神様はどうやらいないなかったみたい。
頑張ってたら神様が助けてくれるっていうのは嘘だ。
楽しんでね。ゆーだけの人生。
僕は…楽しめなかった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!