もうすぐ夏休みが終わる夜。
あなたの下の名前は一人で出かけた。
─── 8月 ●●日
あなたの下の名前の住んでいる町の少し遠くでは
毎年この日に花火大会がある。
忍術学園に入ってから
まだ一度も来たことがなかった。
誰か一人でも誘っておくんだった
と思いながら薄暗い空を見上げる。
会場にはすでにたくさんの人が集まっていた。
見つけたふたりの方へ歩いていく。
───鉢屋三郎side
しばらく歩いていると
大きな「りんご飴」の字が見えてきた。
それぞれ代金を屋台の人に渡す。
人気の少ないところで
3人座り、りんご飴を食べる。
雑談しながら食べていると
すっかり暗くなっていた。
───ドンッッ!
花火が上がった瞬間
あなたの下の名前はちょっと跳ねて
嬉しそうに空を見上げた。
その横顔を見て、ちょっと安心した。
夏休み前、元気なさそうだったから。
それでちょっと心配していた。
──でもきっと 夏休みは家族と一緒に
楽しく過ごせていたのだろう。
帰り道、あなたの下の名前が突然変なことを言った。
あなたの下の名前がそう思ってくれてよかった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。