コンコン。とドアをノックするとはーいと明るい声が聞こえる。
またもやはぁ。とため息をつき、私は取り返しのつかないことをしてしまったのか…と後悔する。この人はきっとなにを言っても納得してくれないだろう。
少し呆れ気味に言うと、佐久間さんはキラキラと目を輝かせ、ベッドから立ち上がり、私にハグをしてきた。
なんだかいやらしい目でみてくる佐久間さんを押しのけ、
恥ずかしくなりながら、私は彼の彼女じゃないけどしょうがない。と思い切って言ってみた。
なにやら妖しい目つきで私を見つめる。
私が説明しようとすると…
勢いよくガラっと扉が開き、いつもお見舞いに来てくれていた人が慌ただしくきた。
8人ほどの大人数で私は邪魔かな…と思い出て行こうとする。すると、ガシっと腕を掴まれて、
そんな言葉を聞いた皆さんが泣き崩れていた。
そりゃそうだよね…だって記憶喪失なんてこの人達にとってはきっと仲がいい人だったんだろうし…
そう返事をすると共に、皆さんはお世話になりました。と言って病室から出て行った。
なんとなく返事をしておいて、本当に彼がアイドルだった場合はちゃんと説明して別れよう。いや、そもそも元から付き合ってはいないが…
私はそれから佐久間さんのことを憶えている限り話してもらったりしようと思った。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。