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第4話

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2026/03/03 11:19 更新
 





あなた
ゆうしくんのこと、
ずっと応援してたよ


私は、堪えていた涙が頬を伝うのを感じた




剥がしのスタッフに促され、立ち上がる私



ゆうしくんは最後まで私の目を見つめ、
小さく手を振った



ユウシ
ユウシ
またね。次はあんなに間を空けないでよ
絶対だよ
 












色紙を受け取り、会場を後にする

外に出てから色紙を確認すると、
そこには力強い文字でこう書かれていた


 





俺をここまで連れてきてくれてありがとう
これからも、一緒に行こう  ユウシより









私の目からは、
これまでの寂しさをすべて洗い流すような涙が溢れていた







アイドルとファン

その関係は、確かに不平等かもしれない



けれど、一緒に過ごした「何者でもなかった時間」は、
彼にとっても、宝物として胸に刻まれていた









大きなステージに立つ彼も、
あの頃の小さなホールで見せた笑顔も、
私にとっては同じ「ゆうしくん」だった


そして、彼にとっても、私はずっと
「自分を支えてくれる特別な存在」のままだった
 





どれだけ会場が大きくなっても、
どれだけ世界が変わっても


あの場所始まった二人の物語は、
まだ1ページも終わっていなかった








end







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