side:YOU
意外とこの付近は人通りが悪く、
用事のある人しか来ない場所であって
時々Jrの方の悲鳴()が聞こえるだけである。
つまり、その悲鳴が無ければほぼ無音な訳で。
時計のカチ、カチ、カチ、という音が
いかに大きく響いているかが分かる。
ずーっと真顔で携帯をいじる西畑くん。
はよ待ち人来いって。もういいて。
そう思っていたら扉が開いた。
「すんませーん、こんにちはー…」
『…』
西畑「やっと来た、おっそい」
「うおっ、びびった。おったんや」
西畑「あんたがもう着くっていうから
この優しい優しい西畑様がお迎えに来た訳。
はよ書け。みんな待ってる」
「あ、ああ」
ドアを開けた瞬間、目があった。
そして見学者のところに名前を
書き終わったいま、また目があった。
そういえば君も関西弁だったね。
関わり、ないと思ってたよ。永瀬くん。
永瀬「………お姉さん、
どっかで会ったことあります?」
西畑「は?」
『…いえ、人違いじゃないですか?』
永瀬「嘘や、絶対あったことある!
えーっと、なんやっけ、どこだ、えぇ?!」
西畑「人違いやって
本人も言うてるやろ。置いてくで廉」
永瀬「え、ちょお待ってや!
今喉のあたりまで出てきてんねん、
なんやったっけー、あれー、そのー、」
『…西畑くんもう行ってますよ』
永瀬「ええ?!ちょ、大吾!」
西畑「はよしいって、もうええやん」
永瀬「よくないわ!オレ今日紫耀に
頼まれて、、、あ"っ、!!!せや!!
七海さん!あんた七海さんやろ?!?!?!」
『…いえ、人違いじゃないですか?』
西畑「ほら、本人もそう
言ってるんやしはよ行くで(引っ張る)」
永瀬「ちょ、待ってや!
じゃあこの人は誰?!あなたお名前は!」
『……………山田花子です』
永瀬「何その間?しかもそれは絶対嘘やん」
『いや、、、私は山田花子です』
永瀬「大丈夫そうですか?
思いっきり首から名札かけてますけど」
『アッ?!』
西畑「…チッ、バカすぎ」
『………すいません』
永瀬「やっぱ七海さんやんね、
久しぶり。俺のこと覚えてる?」
西畑「覚えてないって」
永瀬「大吾に聞いてないねん」
西畑「はあ?何?知り合い?」
永瀬「あれやん」
西畑「なにやん」
永瀬「セクゾさんのマネージャーさん、
やったから、たまにみんなでご飯行った」
『そうでしたっけ』
永瀬「嘘やろ?!」
西畑「ほら覚えられてない、行くで」
永瀬「ちょ、また後で七海さん!」
だから私は山田花子ですって、、、と
心の中で軽い冗談ツッコミをしながら西畑くんに
首根っこを引っ張られて引きずられていく
永瀬くんを見送った。見学、来るんだ。
意外だな。紫耀くんはこういうの来なさそう…
って彼は一体何を頼まれてたんだ?????











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!