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第1話

1話 高嶺の花
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2025/12/29 13:52 更新
 水泳の後の歴史の授業、眠くて先生の話が頭に入らない。ここで寝てしまえば先生に起こされ変に目立ってしまう。目立ちたくない僕は少しでも眠気を覚ますため外がよく見える窓から先輩達が体育の授業で行っているソフトボールの試合を見ていた。
 確かこの授業を受けている先輩達の中にはにゃぽん先輩もいるはずだ。にゃぽん先輩はうちの学校の中では高嶺の花のような存在であり、皆の憧れの人だ。
 まあ、その皆の中には僕は入っていないがにゃぽん先輩には皆を惹きつける何かがあるのだろう。
 学業が終わり家までの帰り道で、背の高い細身の男が何か張り詰めた顔をしながら端末に向かってボソボソと呟いて僕の横をすれ違った。
 僕はその男の異様な雰囲気に惹かれ目で追っていた。
 その時、男が何か落としたことに気づいた。
 USBメモリだ。
 僕はUSBメモリの中身が気になり、男に返す事もなくすぐ家に帰り自分のPCに差し込んだ。
 USBメモリの中の内容は衝撃的なものだった。
 にゃぽん先輩のことがずらりと書いてあったのだ。性格や個人情報、にゃぽん先輩と親密な関係を持っている人と血の繋がりのある人。
 何故こんなものをあの男が持っているのか僕は考えた。にゃぽん先輩に恋愛的な重い感情をもっているからか、にゃぽん先輩に恨みがあるからか。それともそのどちらかの感情を持っている人に情報を渡すためかとも思ったが、人に渡すならもっと分かりやすくまとめて書いているはずだ。
 このUSBメモリを男に渡してしまえば、にゃぽん先輩にとって何か不利になってしまうのは確かだが、男にUSBメモリを渡した後にゃぽん先輩はどうなってしまうのかが僕は気になった。
 夜に、USBメモリをあの男が落とした場所に置くと次の日にはUSBメモリは無くなっていた。後はにゃぽん先輩に何が起きてしまうのか待つだけ。
 もしあの男がにゃぽん先輩に恋愛的感情を向けていたのなら、にゃぽん先輩は性的暴力を受けることになりそうだがそうなってしまったら少し残念だ。僕は性的な事件は好きじゃない。そういう事件はニュースで流れることもあるが、見ていて気分が悪くなる。
 数日経った頃あの男とまたすれ違った。
 男は前とは少し違い今日は顔に血の気が無く緊張しているようだった。
 僕はその男が今日何かしら事件を起こしてしまおうと考えているに違いないと思い、後を追いかけた。
 後を追いかけて20分ほど経つと男は大きい一軒家に入った。流石に家の中に入るのは男に巻き込まれて自分も捕まってしまう可能性もあるため、家をぐるりと囲んでいる塀の隙間から男を観察することにした。
 男が家に入ってから数分経つと悲鳴が聞こえ始めた。

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