今日は私の彼女、ミンジョアとデートをする日。
外に出るのが好きじゃない私たちだけど、今日はどうしても外でデートがしたくて誘ったら、二つ返事でOKをもらえた。
さすがえり。頼りになる。
私がここまで服にメイクにこだわる理由、久しぶりのデートだからってのもあるけど、それだけじゃない。
こだわるあまり、時間がかかることは目に見えてたから早めに起きてこうしてえりに付き合ってもらってる。えりはおしゃれだし、メイクとか詳しい。
そりゃ私だってそれなりにできるけど、えりは別。
えりには感謝しかないな…。
そんなことを考えながら待ち合わせ場所に向かう。
宿舎が一緒なんだから一緒に行けばいいんだけど、そうはしない。だって、驚いてほしいから。
なんでミンジョアが照れてるの…。
かわいいというあなたも普段しないようなかわいらしい格好をしていて、とてもかわいいんだけど。
ミンジョアの手を取り急ぐ。
とにかくこっちは映画のチケットを取ってるから間に合わせなければならないのだ。
途中飲み物買ったり、野良猫に構ってたりしたけど、なんとか間に合った…。
嘘。本当はめちゃくちゃがんばった。
この恋愛映画は有名なアイドルが主演を務めるとかで、予約困難な映画だったけど、粘りに粘っていい席を確保した。
…諦めて他の映画にしようとしたけど。
守りたいこの笑顔。あの時の自分諦めないでよかった…。
スマホの電源を切ってカバンに入れて、カバンを椅子の下に置く。
飲み物もポップコーンも2人とも映画中は食べる派じゃないから買わなかった。
なにも飲食物が置かれてないひじ掛けに置かれているミンジョアの手に自分の手を重ねる。
ミンジョアがこっちを向いた気がしたけど無視してたら珍しく彼女から指をからませてきた。それにクスクス笑いながら握り返す。
笑ったことがバレたのか睨まれた。気がする。
映画の内容は想像以上に感動系で、ミンジョアなんて終盤あたりからずっとぽろぽろ涙を流していた。
今は昼の1時。ちょうどお昼時。ランチする場所もちゃんと決めている。
道中、映画の感想を言いながら予約してたお店に行く。
ミンジョアは覚えてるかわかんないけど、行くお店は初デートの時に行ったお店。コースもその時と同じ。
予約してた名前を言って席に案内してもらう。
机に突っ伏して足をばたばたするミンジョア。かわいい。ランチでこれなら、ディナーとかその後とかの反応が楽しみ。
初デートの時と同じドリンクを頼む。
しばらく待ってると頼んだドリンクが来たから受け取って、ミンジョアの分を1口読んでミンジョアに渡す。
ミンジョアも私の分を1口飲んでから渡してきた。
これはさすがに初デートの時にはやんなかったけど、私が何の気なしにやった事があって、それからのデートで飲み物を頼む時は毎回してる。だってどんな味なのか気になるし。
初めの頃はミンジョアは恥ずかしそうにしてたけど今じゃもう慣れちゃったみたい。
あの時のミンジョアの照れようはかわいかったのに。、
最近あった事とか、メンバーの事とかを話していたら料理が来たから食べ始める。
ここのランチコースは程よい量で食べやすいからお気に入り。
ミンジョアもご満悦な様子。
布巾でぬぐってあげるとまた照れる。この子本当にすぐ照れるからかわいいよね。
あら、拗ねちゃった。でも嫌じゃないんでしょ、耳赤いもん。でもからかうと大変なことになるから大人しく食べる。
ふふ、このあとどんな反応してくれるかな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。