時計を眺める。4時30分を指す時計だ。かなりの早朝であるが、糖菓はいつも無理してこの時間に起きていた。
それも今は、しなくていい。
こんなところにも新たな小さな幸せはあるものだな、と実感する。なんだか嬉しいことだ。
ここまで気を使わなくて良くて
ここまで何も気にしなくていいような
ここまで疲れないような
___そんな"生活"は、あっただろうか。
糖菓も一応礼くらいは言わないとな、と思っていたのだが。…まぁそれは今度でいいだろう。
今日は晴天だ。雲一つ見えない。
___そう、呟くのだった。

【 奇妙に創られた月という星 】創星月奇
___糖菓と葵彩も、自分達を助けた人物の本性がこれだと知ったら驚く……というか実際に驚いたのだが、それはまた別のお話。
言葉が、声が、重い。
まるでいいえなんて言わせないような(元から言う気も無いのだが)、そんな重圧感のある声、瞳。
セリニアの首に手がかかって、そのまま___強く絞められる。人間では無いからこの程度では死なない。人間であれば死んでいるかもしれないが。
そう訴えつつも、その手を振りほどこうとはしない。
何故かって?セリニアは別にミレアムに恐怖で屈服している訳では無いからだ。今こうなっているのは自分の所為、とも思っている。
…洗脳にでもかかっているのか?それも違う。彼女が…元からおかしいだけである。元からおかしいから、こんなミレアムの事だって心の底から好きなのだ。心の底から忠誠を誓うのだ。
___その白い髪を靡かせて
黒い影は意気揚々と歩き出していく。___今日もまた、誰かが犠牲になる。
全ては彼女の笑みの為、全ては彼女の一時の幸せの為___
___その宝石の瞳は、不気味なくらいに今日も輝いている。


「 ねぇねぇ何これどうなってんの!?!? 」
「 ど、どういうことでしょうね……? 」
___星空の向こうを見に行こう
___煌めく未来を、探しに行こう!!!
【 第二章:この星空が終わるまでの約束 】Fin.












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!