第15話

勇者
25
2024/05/31 11:54
これはまるで御伽話のような
すでに終わりを迎えた話。

ある不老不死の人わたしの長すぎる人生旅路から切り出した物語。
それは、かつてこの地を絶望に陥れた悪を滅ぼした勇者とのほんの短い旅の記憶。
物語は終わり、勇者貴方は永遠の眠りについた。
穏やかでどこにでもあるような日常をここに残して
時の流れは無情で、貴方のこともみんなの記憶から消えていく。
ここで生きた軌跡奇跡も錆び付いていく。
ルカ
ルカ
俺はここがずっと平和でいて欲しい。
それでも、いつだったか貴方が呟いた願いも今も私の中で生き続けている。
悪を倒すのに協力しただけだった。
同じ道を歩んでいただけだった。

それなのに、いつの間にか私の頬を伝う涙の理由を知りたい。

知りたいんだ。
「今更?」って思われてもいい。

ただ、共に歩んだ旅路を辿れば、そこに貴方は居なくても見つけられる気がした。
物語は続く。例え勇者主人公がいなくても。
私は、1人の旅へと出かけた。
レイラー
レイラー
凄く面白い人だったよ

ぐさお
ぐさお
物凄く優しかった…

ウパパロン
ウパパロン
出来ることなら、また会いたい。
立ち寄った街で出会った人々の記憶に残る貴方は相変わらずお人好しで、カッコつけてばっかりで…

あっちこっちにある貴方のシンボルはそこで勝ち取った平和の証なんだってさ

それすら、未来で私が1人にならないようにした目印なんじゃないかって、
あの旅をいつでも思い出せるようにした物なんじゃないかって考えちゃうんだよ。

まるで御伽話のような
すでに終わりを迎えた証。

私を変えた出会い。
私の100分の1未満の旅路。
例え、君の勇気が、覚悟がいつか誰の記憶から、
みんなの記憶から消え去ってしまっても私が未来へ伝えるから…


あの日、君の手を取った。
君と出会った日に始まった
メテヲ
メテヲ
それでさー
くだらなくて
みぞれ
みぞれ
こんなにいるのは聞いてないのだ!
iemon
iemon
やばい!戦闘準備だー
思わず「ふっ」と笑ってしまうようなありふれたもう戻らない時間が愛おしい。

知りたいんだ。今更だけど。
後ろ過去を振り返ると優しく微笑んでいる君がいるから
八幡宮
八幡宮
ずっと見守っててくださいね
私の新たな旅の始まりは、君が救ったこの地に新しく芽吹いたこの命と共に…

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