第17話

~17~【いつだって100%!】
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2024/03/02 08:00 更新
‐Nの城‐
ユズキ
なにここ、色々となんか…
七賢人
天に従う者は生き、天に逆らう者は滅ぶ
トウヤ・ユズキ
キョロキョロと周りを見渡すと、どこからともなく声が聞こえてきた。

咄嗟に正面を向くと、そこには大量の七賢人達がいた。
七賢人
大道廃れて神器あり
七賢人
一を知りて二を知らず
七賢人
過ちて、改めざる、これを過ちと言う
七賢人
君子は魏に悟り、精進は理に悟る
七賢人
天に虹津なく、民に2人の王なし
七賢人
…さて…我らが王さまになにかあっては一大事
七賢人
ゲーチスさまの完全な計画を崩れ去る、というもの
七賢人
Nさまはがっかりされるだろうが、我ら6人、ここでオマエを倒してみせる!
…そんなことできるのか?
七賢人
ヤーコン
まだくたばってなかったか、トウヤ、ユズキ
ユズキ
え、ヤーコンさん⁉
七賢人
き、キサマ…ホドモエの…⁉
ヤーコン
ふん!オレさまだけじゃない!
タッタッタッタッ
トウヤ
え?えっ⁉
アロエ
悪いねぇ…あたしらの方が強いのに、数まで多くってさ
七賢人
じ、ジムリーダーどもめ…!
カミツレ
プラズマ団のこと…放っておくのって、ジムリーダーとしてひどいでしょ?
アーティ
あのベルに頼まれちゃったのもあるし
ハチク
フウロ
大丈夫だって!
アイリス
大丈夫だって!
シャガ
ライトストーンを持つ者、己を夢に向かって成長させる者よ、先に進みなさい
ユズキ
皆さん…ありがとうございます!
トウヤ
ぼく達、絶対に止めてみせますから!
ユズキ
ね、ねぇ、ここって…
トウヤ
色んな部屋に入ってるけど、ここだけなんか…違うよね…?
シュワンッ
ダークトリニティ
この部屋はNさまに与えられた世界…
ダークトリニティ
わたしは入ってもなにも思わないが…オマエ達ならなにか感じるかもな
シュワンッ
ユズキ
あ、ちょっと!
ユズキ
…ここが、Nが暮らしてた部屋…?
トウヤ
でも、それにしてはおもちゃも最近使ってるような気がするし…
ユズキ
トウヤ
今は違う子が住んでるのかな?そうだとしたら、すごい小さい子かもね
トウヤ
だって、こんなに暴れた証拠もあるし…
ユズキ
いや、こんなの…
トウヤくんは私より幼いからわからないかもしれない。

でも、私は理解してしまうんだ。

この部屋のおもちゃはさっきトウヤくんが言ってた通り、使い込まれて、更に最近遊ばれた痕跡がある。

それにこの部屋には、窓も1つもない。

ここからでも見える、バスケットボールに書かれた、「ハルモニア」の文字。

あぁ、こんなのわかりたくなかった。
ユズキ
(Nって、やっぱりどこかズレた人だと思ってたけど、これって…)
トウヤ
よくわかんないや。次の部屋行こっか?
ユズキ
…うん、そうだね
トウヤ
だいぶ奥まで来たけど…まだかな?
ゲーチス
ようこそ、ライトストーンを持つ者よ!
トウヤ・ユズキ
ゲーチス
…なんだか関係のない人も来ているようですが…
ゲーチス
ポケモンリーグを包み隠すように現れた城は、イッシュが変わることを表すシンボル
ゲーチス
その城の王は伝説のポケモンを従え、チャンピオンを越えた、最強のトレーナー!
ユズキ
…あの、あなたに聞きたいことが
ゲーチス
…しかも世界を良くしたいと言うアツい思いを胸に秘めている!
ユズキ
あの!
ゲーチス
…うるさい人ですね。王もワタクシも、あなたに興味などないのですよ
ゲーチス
…そんな王を英雄と呼ばずして、なにを英雄と呼ぶのです?
ゲーチス
ここまで舞台装置が整えば、人々の心は掴める!
ゲーチス
いともたやすくワタクシの…いやプラズマ団の望む、世界にできるのです!
ゲーチス
ワタクシ達だけがポケモンを使い、無力な人を支配するのです
ユズキ
っ…そんなことさせない!
ゲーチス
あぁ、長かった…計画を悟られぬよう、息を潜めていた…苦しみの日々も終わる!
ゲーチス
さぁ、進め!そして自分も英雄になれるのか、確かめればいいのです!
トウヤ
…ぼくは行く。絶対に止めてみせる!
タッタッタッタッ
ユズキ
っ、私だって…!
ゲーチス
…ふっ
‐奥‐
N
ボクが望むのは、ポケモンだけの世界…
N
ポケモンは人から解き放たれ、本来の力を取り戻す
コツ、コツ…
N
…さぁ、最後の戦いだ
N
ボクには覚悟がある!トモダチのポケモン達を、傷つけても信念を貫く!
N
…ここまで来たからには、キミにもあるんだろう?
N
あるなら、ボクのもとに来て見せてほしい!キミの覚悟を!!
トウヤ
…あぁ、見せてやるよ!ぼくの覚悟!!
ユズキ
トウヤくん…
私には、なにもできない。できることがあるのなら、それはきっと、応援だけ。

それでも、願うしかないんだ。トウヤくんが勝つことを。

これからもポケモン達と暮らす、この世界が続きますようにって、願うことしかできない。

…ゴゴゴゴッ!
トウヤ
バックの中…ライトストーンがうごめいている⁉▾
N
キミのライトストーンが…!いや、レシラムが!
ドドドドド…パリーンッ!

周りのオーラを取り込んだライトストーンが、それを強烈なパワーとし、今…解き放つ…!▾

ドンッ!
レシラム
▮▮▮▮!
トウヤ
レシラム…!
N
レシラムとゼクロムは、もとは1つの命…1匹のポケモンだった
N
正反対にして、全く同じ存在、ゼクロムとレシラムも、英雄と認めた人物のもとに現れるポケモン…
N
…そうか…やはりキミも。…そのポケモンが、なんといっているか教えてあげるよ
N
「キミと戦いたい、仲間にしてみろ」、ここまでやってきたキミが真実を求めたいのか、確かめるつもりなんだね
ユズキ
っ、トウヤくん…
N
キミも見てるといいさ、歴史に残る、最高のバトルを!
トウヤ
レシラム、ぼくに力を貸す気になれるように、ぼくはキミに挑む!
レシラム
▮▮▮▮ー!
レシラムが あらわれた!▾
ユズキ
お願い、頑張って、トウヤくん…!
…グイッ
ユズキ
わっ!
トウヤくんを信じる。などと他人事のように願っていると、突然なに者かに腕をつかまれた。
ユズキ
え、なに?わぁっ⁉
咄嗟にトウヤくんの方に視線を向けると、そこには真剣にレシラムへ挑む少年の姿が。
ユズキ
(そうだ、私はいっつもトウヤくんに助けられて…)
なんて、当たり前じゃない幸せがすぐそばにあったことを、自覚しているつもりで、いざとなると全く考えていなかったことを思い出す。

グイッ
ユズキ
ちょっと!なんですか!やめ…!
グイッ!
ユズキ
わっ!
誰かもわからない人に腕をつかまれ、引っ張られやってきた場所は…
ユズキ
ここは、さっきの…
理想を追い求めさせ、あそこまで王を育てたのは誰だと思いますか?
ユズキ
ユズキ
だ、誰っ⁉
ゲーチス
そう、それは…このワタクシだ!
ユズキ
ユズキ
あなたは、ゲーチス…!
ゲーチス
ワタクシは王と同じ、ハルモニアの名を持つ者
ゲーチス
そんな王が伝説のポケモンを蘇らせるために教育をしたのもワタクシだ
ユズキ
っ…やっぱり、Nを幼い頃から歪んだ考えを教え込んだのは、あなただったんですね…
ゲーチス
おや、気づいていたような口ぶりですね
ユズキ
あの部屋を見れば、誰だってわかります。…純粋な心を持つ子以外は
ゲーチス
なるほど、あの部屋を見たのですね。確かにあなたのような頭のいい方なら、お気づきになるかもしれませんね
ユズキ
…それで、なんの用でしょうか?
ユズキ
私は愛しの子が伝説に認められる瞬間を、目の当たりにしたかったんですけど…
ゲーチス
残念ながら、もう彼に会えることはないでしょうね
ユズキ
…え?
ゲーチス
なぜならあなたはこれから、もう2度と彼に会えないほど惨めな負け方をするのですから!
ユズキ
は?な、なに言って…
ゲーチス
チャンピオンを目指すほどバトル好きなあなたならおわかりでしょうに
ユズキ
もしかして、ですけど…
ゲーチス
えぇ、そうですよ
ゲーチス
…今あなたが了承しなければ、このプラズマ団を引っ張ってきた完全な男、ワタクシが世界を変えますよ!
ユズキ
ゲーチス
…できないと思いますか?いえ、そんなことはないと、あなたならわかっているでしょう?
ゲーチス
大きな組織、プラズマ団を引っ張ってきたワタクシなら、ね?
ユズキ
っ…
ゲーチス
どうします?このまま彼が敗北する姿を目の当たりにするか…
ユズキ
トウヤくんは絶対に負けない!
ゲーチス
それはただのオマエの幻想だ!
ユズキ
っ!
ゲーチス
彼が王に負けている間に、常に隣にいて面倒くさいあなたをつぶしてあげましょう
私はトウヤくんのように強くないし、勇気もない。

そんな私が、こんなラスボスみたいな雰囲気を飾るなんて、おかしな話。

…でも、トウヤくんは今、一生懸命Nと戦ってる。

私がしなかったら、この世界は…
ユズキ
っ…
そんなの…
ユズキ
絶対、絶対させない!
プラズマ団のゲーチスが 勝負をしかけてきた!▾
N
ゼクロム、クロスサンダー!
トウヤ
レシラム、クロスフレイム!
ドッゴーン!

威厳のある戦い、その言葉が1番似合うバトルだと思う。

ぼくの目の前には、伝説のポケモン、ゼクロムとレシラム。

ゼクロムはNを、レシラムはぼくを英雄と認め、力を貸してくれた。
N
しねんのずつき!
トウヤ
じんつうりき!
大きく響き合うわざ。

このバトルは、絶対、絶対に負けられない。

ぼくがここまで来れたのは、ぼく1人の力じゃない。

ポケモンがいて、一緒に学んで、一緒にバトルして、一緒に強くなってきたからこそ、ここまで来れた。

今だってそう。レシラムやポケモン達がいなかったら、ぼくはただの無力な男になる。

ポケモンにはいつも助けてもらってばかり。だからぼくは、実力で恩返しをしたい。
トウヤ
クロスフレイム!
N
クロスサンダー!
ゲーチス
バッフロン、アフロブレイク!
ユズキ
コジョンド!ドレインパンチ!
あれからゲーチスとのバトルはまだ続いている。

ゲーチスのポケモンは全部で6体、そして残りは3体。

そしてこちらのポケモンは5体、そして残りは2体。

やっぱり世界を変える力を持ってるだけあって、やっぱり強い。
ゲーチス
バッフロンさえ倒されるとは…やはり面白い
ゲーチス
ですがもうそろそろ終わる時間ですよ。ガマゲロゲ!
ポンッ
ユズキ
コジョンド、できるとこまで頑張って!
コジョンド
ジョーっ!
N
アーケオス、ドラゴンクロー!
トウヤ
サザンドラ!りゅうのはどう!
ザシュッ、ドンッ!

あれからも激戦が繰り返され、まだまだ決着もつかなさそうだ。

…この世界は、みんなに力で成り立っている。ジムリーダーにチャンピオン、それぞれのトレーナー達。

みんなの心や願いが重なって、こんなにキレイな世界ができてる。

…ぼくはそんな世界を壊したくない。ポケモンと人の笑顔が輝いていて、幸せそうにしている街達が、ぼくは大好きだから。

…なにより、ずっとぼくについてきてくれた、ユズキとポケモン達を…
トウヤ
…?
一瞬の隙に後ろを見ると、そこには誰もいない。

うそだ、さっきまでそこに、怯えているような、怒っているようなユズキがいたはずなのに。
トウヤ
あれ?なんで…
N
ストーンエッジ!
トウヤ
トウヤ
りゅうのはどう!
…バタン
ユズキ
っ…!
時空が止まったような感覚。止まらない冷や汗。

目の前には、大好きで、これまでともに暮らして、冒険してきた、エルフーンの倒れた姿が。
ゲーチス
はぁ、あぁ…
エルフーン
ル、フ…
苦しそうに倒れるエルフーンと、やり切った顔をしているゲーチス。
ユズキ
う、そ…
ユズキ
そ、そんな…私、負け、て…
これからの世界やトレーナー達をかけた戦いで、私は…

…負けた。
ゲーチス
…ははは、こんなものか!所詮はただの少女だな!!
プラズマ団のゲーチスとの 勝負に負けた!▾

ガタ、ガタン…

あまりのショックに、私は跪く。
ユズキ
うそ、わ、たし…
ゲーチス
ワタクシの勝ちだ!やはりワタクシは正しかった!完全な男だっ!
ユズキ
目の前が真っ暗になった!▾

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