依頼は極、簡単な仕掛けだった。
熊本秋子が消えたのは彼女の異能力によるもので、
彼女は廃墟の探索の不安感や恐怖から発動したのだ。
太宰の反応にはハリがなかった。
依頼が面倒だったのだろうか?
太宰は乱歩の声掛けに応じ、
ちょいちょいと手を動かす乱歩に自身の耳を近づけた。
乱歩はそれだけいうと優雅に棒付きキャンデーを口に入れた。
太宰は口角を上げた。
あなたの名字side
半年前___
声に出した其の言葉は、私の言葉では無い。
かと云って、誰が言っていたことかも定かではない。
いつかの記憶。
曖昧でよく覚えていないけど、何かの本で読んだんだっけ?
確かに、そうかも知れないなぁ。
…私以外は。
意味もなく笑った私の目は少し痛みを帯びていた。
嘘でしょ…?
太宰の"異能無効化"を…?
尚更、何故森さんは私を生かしたんだろう。
使役もできぬ怪物を活かす必要も無いのに。
涙が溢れてしまう。
…ずっと、森さんに距離を置かれているものと考えていた。
幹部の仕事を貰っても、其れは表面状のやり取りにすぎないと。
でも
恐れていた壁の向こうも壊してみれば、可愛いものかも知れない。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。