第11話

「 凛 」 6代目総長
716
2018/08/16 13:36


✓ 紫曖蘭 side


朱宇磨はオレの1つ上のお兄ちゃんで
オレが中3の時、家を出ていった


出て行った後の行方はわからなくて
音信不通になってた


オレの生活はあの日から変わった
中3の夏に朱宇磨が出ていってから。









朱宇磨
俺はこの世界は嫌いなんだ
よく、朱宇磨はこう言ってた
オレのパパ 白崎大輝は 「 凛 」 の5代目総長で
総長は代々白崎家が担ってた


オレは女だから
6代目総長はもちろん朱宇磨の予定だったし
「 凛 」 のメンバー全員が
“ 白崎大輝を継ぐのは白崎朱宇磨 ” と思ってた


でも朱宇磨はそれを昔から嫌がってた
大輝
朱宇磨、お前ももう高校生だ
そろそろ総長の引き継ぎをしよう
朱宇磨
俺は「 凛 」 を継がない
大輝
いつまでそんなこと言ってんだ
大輝
お前はここで 「 凛 」 をつぶすのか?
朱宇磨
俺には関係ない
朱宇磨
ここにいて継がないといけなくなるなら俺はこの家を出る
そう言って朱宇磨は
高校1年の夏に学校を辞めて出ていった


だからオレは高校入学とともに
「 凛 」 ができてから初めての女総長になった


倉庫にはよく遊びに行ってたから
「 凛 」 のメンバーに対しての不安はなかった


でも女だからって他の組になめられたら
オレが 「 凛 」 をつぶしてしまう。
ただそれだけがこわかった


だから “ 女だから ” で済まされないように
パパの後を継いで頑張ってきた


ケンカも強くなった
そこらへんの奴らには負けない自信がある


最近やっと 「 凛 」 の総長として
裏の世界の2トップとして認められるようになった


それなのに、のこのこと。
どんな顔で帰ってこれるって言うんだ?









プリ小説オーディオドラマ