あなたの名字あなたの下の名前side
ひかると一緒に帰ることになったんだけど…
何話せばいいんだっけ…
こんな緊張する帰り道初めてだわ
そう言ってひかるが空を指差す
ひかるはほんとに表情豊かだと思う
楽しいこととか嬉しいことがあったとき
顔クシャ〜って笑うとことか
好きなことしてるとき
子供みたいに無邪気に笑うとことか
パフォーマンスしてるとき
バチバチに決めてくるとことか
今みたいに小さな景色に感動して
目キラキラさせるとことか
見てて飽きないし
そういうところに惹かれたし
そういうところが好きだなぁって思う
お〜まじか
まさか口にでてたとは…
いや、バカか?
今しかないでしょ
何絶好のチャンス逃してんの?
今からじゃ遅いか…?
でも今言わなかったら一生言わない気がする
言うか…
言わないか…
言うしかないか
やば…
「好き」ってこんな緊張するもんなんだ
うぅ…
なんでこんな優しいの
よし…!
泣いて潤んだ目で見つめてくるひかる
私より身長が低くて自然と上目遣いになって
可愛さ激増…
私は思わず抱きしめた
すると遠慮がちに背中に回るひかるの両手
やばい…
かわいすぎるよぉ…
愛おしさが溢れて止まりそうにないんですけど
自信がなくて
もたもたして
今のままでいいんだって
自分に言い聞かせて
でも
一回溢れてしまえば
もうきっと止められないから
これからは
自分の気持ちに正直に生きてみよう
Fin.
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。