第3話

短編
10
2025/11/23 22:47 更新
今日久々に早起きをした
早起きをしたから
いつも通りとは言えない朝だった
朝五時に起きて
布団から出ると
まだ夜が明けてないのもあって
ひんやりとした冷気が足を冷やした
目も覚めてしまったし
どうせなら散歩をしようかと
寝間着から暖かい少し厚手の服に着替えて
その上に外套コートを羽織って外に出た
玄関を開けた途端
部屋に入ってきた冬の寒さ
乾燥した風が吹き抜けて
目が覚めていたとはいえ

まだ重たかった瞼がぱっちりと軽くなった
未だ夜明けの来ていない街は
寒くて
暗くて
何処か、寂しくて。
はぁっ、と息を吐くと
吐いた息が一瞬白く凍って
直ぐに溶けて見えなくなった
冷えた空気が鼻を冷やして
つん、と少し痛みがある
それすら早朝の醍醐味な気がして
そこまで気にしなかった
少し時間をかけて、高めの建物のある街の方へ歩いた
自分の住んでいる街からは
少し離れた場所だから
歩いているうちに時間が経って
少しづつ夜が明けて行った
夜が明けて行くにつれて
犬の散歩をする人を
ちらほら見かけるようになって
その街に着いた頃には
建物に陽の光が当たっていて

とても綺麗だった
ああ、自分はもうそんなに歩いたのか。
そろそろ戻ろうかと家に向かえば
明るくなった青空が見えた
雲のない澄んだ凍晴を
しんみりとした心で眺めながら歩いていると
また少しづつ
自分以外の歩いている人が増えて。
久しぶりに感じた冬の朝は
とても風情の感ぜられる
心地の良い朝だった

プリ小説オーディオドラマ