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第7話

さところ⑥最終話
58
2025/08/04 15:26 更新
太陽の日がもうすっかり見えなくなっていた頃

僕はさとみくんと一緒に祭りの会場に向かっていた

ここの道は、おじいちゃんが住んでいる場所と違って

人通りも多く賑やかだった

花火大会ではしゃいでいる子供やカップルが

楽しそうに喋っている中、

僕たちは終始無言で歩いていた

お互い良く似合う浴衣を着ながらまだ熱が残る

夏の夜の道を進んで行った
ころん
(せっかくの夏祭りなんだし、楽しまなきゃもったいないよね…)
そう思って僕はさとみくんに話しかけた
ころん
ね、ねぇ、覚えてる?昔あそこの屋台で焼きそばの早食い対決したの
さとみ
あぁ、ころんが途中でむせて俺が完全勝利したやつ?
ころん
いやあれは事故だったから!今回は絶対に僕が勝つもんね!
さとみ
今日もやるんだwまぁ、どうせ結果は同じだろうけどな
ころん
うるさい!今度こそさとみくんに勝つ!
なんだ、僕ちゃんとさとみくんと喋れるじゃん
さとみ
それにしても、今日はやけに空が綺麗だな、星がよく見えるよ
さとみくんは空を見上げながら言った

空には夏の大三角形の星



『ベガ』 『デネブ』 『アルタイル』



がよく光っていた
ころん
おじいちゃんがよく話してたなー
ころん
ベガとアルタイルは七夕の『おりひめ』と『ひこぼし』なんだって
指で空をなぞるように星と星を繋ぎながら話した
さとみ
おりひめとひこぼしってあれだろ?
さとみ
お互いが好きすぎて一年に1度しか会えなくなっちゃったってやつ
ころん
そうそう、可哀想だよね、お互いが好きすぎるあまりに離れ離れになるなんて
僕はぼんやりしながらそう言った

元はと言えば仕事をせずに遊んでいたふたりが

悪いのだろうけど、でも

僕は2人の純粋な愛がすごく素敵だと思った
さとみ
一年に1度しか会えないなんて、まるで俺らみたいだな
ころん
え?
さとみくんは少し笑いながらもそう言った

僕はちょっと驚き止まってしまった

でもさとみくんは歩みをとめず進んで行った

僕は走ってまたさとみくんの隣に並び歩いた

気がつくともう

祭り会場の手前の神社まで来ていたようだった
さとみ
俺達も一年にこの夏しか会えないだろ?
さとみくんはまた少し笑いながらも

どこか真面目な様子で言った
ころん
(本当に、こいつは無意識でこれを言ってくるんだから…//)
さりげなくそう言ったさとみくんに僕は

少しドキッとしてしまった

なんでそんなにさらっとロマンチックのことが言えr…
ころん
(あれ?今、ドキッてしたのか…?)
心臓がびっくりして鼓動が早くなる感覚

ドキドキと速いテンポで脈がなっているこれが

きっとそうなのだろう

でもなんで?

なんで僕はさとみくんにドキッとしたのだろうか

だって、そんな怖いことが起きたわけでも

思いっきりビビって驚いたわけでもない

それに、別に僕はさとみくんのことが好きな訳でも
ころん
(好きなわけでも…//)
さとみ
どうした?顔が赤いぞ、もしかして熱中症にでもなったのか?!
ころん
う、うるさい…//ちょっと黙って
恋とは不思議なものだ

ついこの間まで好きではなかった人が

気づけば気になっていたり、意識してしまったり

そして恋していると気づくのは本当に

ふとした瞬間だったりする

そしてその瞬間が訪れた時から

その人のことがどうしようもなく愛おしく思ってしまう

求めてしまう

そしてその衝動が抑えきれなくなってしまう
さとみ
なぁ、本当に大丈夫か?
さとみくんはこの衝動を数年間ずっと

抑えていたのだろうか

昨日だって、もしかしたら本当に我慢していたのかも

しれない

そう考えるとすごく申し訳なくなってきてしまった
さとみ
なぁ、黙ってたらなんもわかんなねぇよ
ころん
めん
さとみ
え?
ころん
ごめん…さとみくん、昨日はからかっちゃって、本当にごめん(ポタ
さとみ
え?!あ、なに?昨日のこと?からかう?
さとみくんは急に謝りながら泣き出した僕に

すごくびっくりした様子だった

でも僕はつい感情が溢れてどうすることも出来なかった
さとみ
と、とりあえずこっち行こう
焦りながらもさとみくんは僕の手を優しく引っ張って

ほぼ人が来ないような神社お社の裏に連れてきた

でもそこは田舎の風景が一望できて

とても風通りの良い場所だった

僕とさとみくんはそこにあった段差に腰を下ろした
さとみ
えーと…昨日のことって、お風呂の?
ころん
コク…僕、さとみくんの気持ちを知ってたのに、それをからかうようなことして…
さとみ
別に気にしてねーよ…って俺の気持ち?
ころん
僕、小4の時から、さとみくんが僕のこと好きなの知ってたんだ…
さとみ
…え?!/////
さとみくんは僕の言葉を聞くや否や

真っ赤なリンゴのように顔を赤らめて驚いた

手を引いてくれた時からはなさなかったその手は

段々と力がなくなってきて

ついには離れてしまった
さとみ
…いつ、//いつ聞いたの、それ//
ころん
えと、病院で寝てる時たまたまさとみくんが言ってたの聞いちゃって…それで
さとみ
そうかー…//ずっと気づいてて俺と関わってくれてたの?
ころん
う、うん…嫌ではなかったし//
そうだ、僕はずっと嫌ではなかったんだ

さとみくんが僕に対して特別な感情を抱いていることに

今までで少しも不快感を感じたことはなかった

そう考えれば本当は僕もさとみくんのことを

昔からちょっとは好きだったのかもしれない
さとみ
ほんと?
ころん
うん、むしろ僕のことを特別扱いしてくれてちょっと嬉しかったって言うか…
さとみ
嬉しかった、ねぇ…
さとみくんがボソッと呟いた

その瞬間、さとみくんは僕にグッと顔を近ずけた
ころん
?!な、なに…?///
さとみ
キス…していい?
ころん
え…
さとみ
嫌ならぶん殴っていい、





チュ ッ …





さとみくんは僕の手を握り軽いリップ音を鳴らした

僕はその時ようやく理解した

僕はさとみくんの物になってもいいと思っているんだ



いや、なりたいって思ってるんだ
さとみ
良かった、ぶん殴られなくて
ころん
…ッ///
少し笑いながらも愛おしいそうに見つめるさとみくんに

僕は目を合わせることが出来なかった

気まずいからとかではない

ただ、どうしようもなくさとみくんを求めてしまう

どうしようもないほどさとみくんが欲しい

そういう思いが暴走してしまいそうだったから
さとみ
…ころん、ずっと前から知ってたんだろ、俺がお前のこと好きなの
ころん
う、ん…//
さとみ
ッ俺、本当にお前のことが好きなんだ、どうしようもないぐらい…
さとみくんは俯いて少し声が震えた声でそういった

きっと今までの気持ちが溢れて来たのだろう
さとみ
でも、ころんはきっと迷惑だろうから、、好きって気持ちを押し殺して
さとみ
バレないように、ずっと隠してた…
ころん
うん…///
ポタッ…ポタッ…



僕の手に数粒のしずくが落ちてきた感覚がした
さとみ
嫌われないように、ずっと…ずっと、でも本当はこういう風にしたかった…
さとみくんは俯いたまま僕の手をギュッと握りしめた
ころん
そうだったんだ…//
さとみ
時にはころんのことめちゃくちゃに犯したくてどうしようもない日もあったけど…
ころん
え?
こいつサラッと爆弾発言しやがった
さとみ
でも、ころんの綺麗で潤んだ目も、可愛い顔も、ちょっとガサガサな声も
ころん
ガサガサは余計だよ
さとみ
雪みたいに白くて綺麗な肌も、爽やかな青髪も全部全部大好きだ…
ころん
(そんな面と向かって言われると照れる…///)
さとみくんはそう言ってしばらく僕を抱きしめて

微動だにもしなかった
ころん
あのー、さとみさん…?いつまでこのままでいるつもりなのでしょうか…
僕は抱きついて離れようとしない

さとみくんをなだめるように言った

するとさとみくんは案外すぐに体を起こした
ころん
(良かった…)
そうホッとしたのもつかの間、

急にさとみくんは両腕を僕の顔のすぐ横に突き立て

いわゆる壁ドンしてきた
ころん
えなに、まだなにかあるの…?!
これで無事一件落着と思いきやまださとみくんは

なにか言いたげであった
さとみ
ころん、俺は本当にお前が好きだ
ころん
う、うん、もうそれは十分わかったよ…
さとみ
いや、わかってない…本当はころんを俺のものにしたいって






さとみ
お前と…付き合いたいって思ってること…///








照れて顔と耳が真っ赤になり

恥ずかしさのあまり目が涙目になっているさとみくんは

月明かりに照らされて酷く儚く見えた

もう周りの音が何も聞こえない

ただ儚いさとみくんだけが僕の意識を引き付けた
ころん
…ばーか
さとみ
え、?
ころん
そんなの小4の頃からわかってるさ
ころん
それに、さっきからさとみくんと目が会う度にずっと心がさとみくんを求めて…
ころん
僕、どうにかしちゃいそうで…///
さとみ
……ころん、それって…
ころん
だーかーらー!
ころん
よろしくお願いしますってこと///
さとみ
えっ?!
さっきまで泣きそうだったさとみくんの顔が

一気にパッと明るくなった
ころん
もぉ、いちいち言わせないd…
僕がそう言いかけた瞬間さとみくんが急に顔を近づけた
ころん
ッ?!
びっくりした

さとみくんがいきなりキスをしてきたから

しかもこれは普通のキスではない
ころん
(深い方のキス?!///)
ころん
ちょッ………んっ///…んぅ……///
離そうとしてもさとみくんが力が強く押し返せなかった

でもキスの方はとても優しかった

さとみくんの舌が僕の舌を優しく撫でてくる
ころん
ふぅッ…んん……///
気持ちいい…キスってこんなに気持ちよかったんだ

なんだか変な気分になってくる

だが不意打ちでやられたからもう息が苦しくなってきた
ころん
んん……//!くr…しッ……んッ///
そう言ったところでさとみくんはキスをやめて

顔を離してくれた
ころん
はぁ…はぁ…//長いよバカ!///
さとみ
ごめん、でも気持ちよかったでしょ?
さとみくんはいたずらに笑いながら言った
ころん
うるさい…//全然だった!//
さとみ
そう…まあ体は正直だから本当かどうかは見ればすぐ分かるよ
さとみくんはそう言ってにやけながら視線を

僕の体の下の方にやった
ころん
…ッ!///誰のせいだと思ってるんだよ!この、変態!///バカ!///
さとみ
はは、ごめんごめん、責任はとるから
ころん
責任って、…///ふざけんな!帰る!
僕は内心さとみくんにイラつきながら急いで立った
さとみ
えー、俺はここでも良かったのに
さとみ
それに、ずっとそのままでも辛いでしょ?
さとみくんは歩き出そうとした僕の手首を掴んだ

そしてそのままグッと勢いよく引き寄せた

そのせいで僕はバランスを崩し

さとみくんの方へ倒れ込んでしまった

が、さとみくんはそれを華麗にキャッチした
さとみ
ころんの手伝うだけだから、ね?
ころん
ちょっとまじでやるの?!///
さとみ
大丈夫、ここなら絶対人来ないから…それに俺ももう我慢の限界…///
ころん
ッ…///
ころん
(ちょっと、こんな所でドキッとしないでよ…///)
こんなふしだら状況にも関わらず夜空には

花火が打ち上がり始めていた

でも今はそんなことよりもさとみくんに夢中で

さとみくんしか見えなくて

さとみくんのことしか考えたくない


























【さとみくんと一緒にいたい】
END

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