"動機ビデオ"…僕の頭からその言葉が離れない。
時刻は、21時59分。後、一分後に"動機ビデオ"が送られる。
一体、どんな内容が…。
電子生徒手帳から着信音がする。電子生徒手帳を開くと、メッセージに動画が送信されていた。
送り主は、モノシスターズ___。
見るかどうかを自分次第、モノクロはそう言った。
僕は、動画を開いた。
ブツリ…と動画が終わった。
言いたいことは、山程ある。
動画のことも馬鹿みたいな手違いのことも…でも、一番は…。
左手首を"食べた"。
彼は…"人肉"を食べた。
…明日、本人に聞いてみよう。
嘘の可能性は、ある。十分に、ある。
だから、大丈夫…大丈夫…。
違う。本当は、大丈夫だって、嘘だって、信じたかったから。
少しでも…"現実"から目を背けたかったから。
でも、やっぱり…気になりはする。
だから、皇くんに話は聞こう。
…それが、どんな結末になっても。
No side
神木 巡が決心した同時刻、雛内 阿比留は失望していた。
せっかく、"外の様子"が見れると思ったら興味がない人間の"秘密"を教えると言う彼からすれば、何ともつまらない内容の動画だからだ。
しかも、誰の"秘密"かというと…。
正直、あまり仲が良くない獅子堂 璃日人の"秘密"だった。
彼の不服そうな顔とは裏腹に、モノクロは楽しそうに獅子堂の"秘密"を告げようとする。
まぁ、大した"秘密"じゃないだろう。明日、イジろう。
彼がそう考えていた時だった。
モノクロは、きっぱりとそう言った。その声は、とても無機質だった。
彼女達は、淡々とそう告げる。そして、動画は終わる。
雛内はその信じられない彼の"秘密"を___"真実"の一部を知ってしまった。
雛内はその時___一つの推測を立てた。
「獅子堂 璃日人は、このコロシアイの、この学園の"何か"を知っている。」
「しかし、本人自身もその"何か"を知っていることに気が付いていない。」
彼は、そう呟いた。





















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。