ーー高校時代ーー
3年マネージャー騒動の翌日、俺は朝の教室でいつものメンバーでだべっていた
ヒラもこーすけも当たり前のように昨日のことを知っていて、困惑してしまった
俺は思わず質問する
ヒラがにやにやしながら聞いてくる
こいつらに隠したってどうせバレるからもう言ってしまおう
そんなやり取りに4人で笑うが、自分にとってはいつものノリやってる場合じゃない
恥ずかしかったが、俺は少し考えて口を開いた
昨日の気まずい時間を思い出す
あれはやっぱ脈ナシか?
俺とは合わないって思われてねぇよな?
うわぁぁぁぁ、凹む
あれで本当に大丈夫なのかよ
笑っててほしいが?
言い過ぎじゃないんかいと心の中でツッコミつつ、こんなことを話せるくらいあなたの下の名前と仲がいい3人に嫉妬してしまう
もっと早く知っていたかった
なんで教えてくれなかったんだ………って、わざわざ彼女の話になることもなかったし仕方ないか
びしっ👍と親指を立てていたラーヒーの背後にいつの間にかあなたの下の名前がいて驚いた
他のみんなは平然と彼女に話しかけているが、俺はそれどころじゃない
緊張で背中に力が入り、声を出せば裏返りそうだ
ヒラはたまにぶっ込み発言をするが、今回はさすがに本気で困惑する
チラリとあなたの下の名前の様子を伺うが、彼女も目を見開いて固まっていた
あ、キモかったかな
昨日に引き続きしくじりすぎ、何やってんだ俺
いや絶対嘘だろ、めちゃくちゃ気ぃ遣ってんじゃん
でも昨日の先輩みたいにズバズバ言われなくてよかった
あんなの絶対泣く、トラウマ確定だわ
俺は机の横のフックにかけていた体操服の袋を渡した
彼女がぺこりと頭を下げると予鈴が鳴った
授業が始まるので彼女は自分の教室に戻ってしまい、俺は椅子の上で脱力した
押す………ね
肝心の押し方が分からないわけなんだけど
頑張ればいける、と言われたからには頑張るしかない












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!