最後のお客様を見送り店を閉める
七瀬さんを見送り飲み会の準備をしていると扉が開く音が聞こえてきた
そう言って雲雀は紙袋を手渡してきた
中には美味しそうなおつまみが詰められたタッパーが
目を輝かせながらタッパーを覗きに来る颯馬は末っ子感満載で可愛いと思わずにはいられなかった
そして距離が近いです
ナイス渚くんと思ったのもつかの間
渚くんに呼ばれ少し葛藤しているような表情を浮かべる颯馬
きっとつまみ食いしようと思ったのだろう
その意図を汲み取って
言いながらピックが刺さっているものを颯馬の口に近づける
欲に負けたのか大人しく口にする。
満足そうに頷きながら何故かおつまみをもうひとつ掴む颯馬
ダメだと言いかけたが言えなかった
何故なら俺の口にはおつまみが入っていたから
いたずらっ子の笑みを浮かべ微笑む
え…?俺は思わず手の甲で口元を抑える
俺の顔はきっと真っ赤だろう。手の甲で隠せているとは思えない
頬が熱いのが触らなくてもわかる
絶対見せられない顔してる
早く颯馬に後ろを向いて欲しくて慌てて
颯馬の背中をぐいぐい押しながら
困惑しながらも厨房に向かう背中に安心した
こんな顔見せられるわけがない
早く熱を冷まそうと手で顔に風を送る
危なかった。本当に颯馬には敵わない。
颯馬にとっては幼なじみのじゃれあいみたいなものだろうな
その事実が少し、寂しかった
嬉しいのに寂しかったり、片想いってしんどいなー…なんて思いを馳せていると後ろから声が聞こえた
後ろから急に現れたのと今の一部始終を見られていた事実で2回驚く
そう言いかけて止まった奏斗に首を傾げる
何を言いかけて止まったんだ?
うーんと唸っていると背後から
雲雀が出てきた
俺はキッチンに向かう。そういえば誰が呼んでたんだろう?渚くんかな
話題を逸らされる。あの時、颯馬が呼んでたよと言えなかった
だって颯馬に呼ばれて顔を輝かせてキッチンに向かう顔なんて見てられないから
2人と合流して、席に着く。
先に先に着いて待っていてとあなたに言われたから
自然とあなたがよく見える席に座る。楽しそうに料理をする様子を見て嬉しいような、寂しいような不思議な感覚に襲われた
しんどいけど何故か頑張れるのはあなたのせいなのかな












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!