『……そっか、応援してるよ』
来海は純粋だから、私の言葉を何も疑わずに「ありがとう!」と言って笑った。
あの時、来海のように笑えていたかはもう覚えていない。
岩泉「……そんで、あなたは言わなかったのか?」
『言えるわけないじゃん、』
『大体、徹が私のこと好きじゃないのは分かりきってるでしょ』
岩泉「それは来海も同じだろ」
『でも、可能性があるのは来海だけだよ』
その日の夜、岩ちゃんの家に押しかけて話を聞いてもらった。
岩ちゃんには中学に入学する頃に、バレた。
私はずっと、隠すつもりだったのに。
だから今はもう潔く、岩ちゃんにだけ恋愛相談をしてきたのだ。
2人には、バレないように。
それが結果的に、こんなことに繋がってしまったんだけど。
岩泉「……でもせめて、来海には言うべきだったと思うけどな」
「今ならまだ間に合うぞ」
『いいよ、もう』
『来海はいい子なの、岩ちゃんも知ってるでしょ』
『だからもう、終わりでいい』
岩泉「……そうかよ」
岩ちゃんはずっと納得いかない顔をしていた。
そんな顔を見たくなくて、その日はすぐに解散した。
未だに岩ちゃんは、私のことを応援してるけど。
そうして必死に忘れようと決意した頃、仲良くなったのが国見だった。
一応中学の頃からバレー部として関わっていたから、たまに話す程度はしていた。
けど、卒業間際という時に、何故か国見がよく話しかけてくるようになったのだ。
国見「ねぇあなた、高校は結局青城?」
『……まぁね』
国見「ふーん、じゃあ俺と同じか」
「一緒のクラスだといいね」
『どうだろね、私立だしクラス多そう』
国見「高校なんてどこも多いでしょ」
『それもそうか』
そんな他愛もない話もあれば、
国見「……最近、及川さんと七瀬よく話してるね」
「あなたもあそこに入んなくていいの?」
『……別に、幼なじみだからってずっと一緒に居なきゃいけないわけじゃないでしょ』
国見「ふーん、」
核心を突いてくることもあった。
でも何より、1番困ったのは
国見「ねぇあなたさ、好きな人とか居ないの?」
『居ないけど』
国見「恋愛する気は?」
『無い』
国見「つまんないの、俺楽しめないじゃん」
『んな事言われても変わんないから』
国見が、思わせぶりな発言ばかりすること。
というか、これは思わせぶりじゃなくて。
分かってるけど、分からないふりをしてる。
だって私はまだ、
及川「あなた、助けて!!岩ちゃんが追ってくる!!」
『何やらかしたの徹』
及川「俺やらかした前提!?」
幼なじみを、徹を、想わずには居られないから。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。