それから努力を重ね、精神的にも身体的にも回復し、もう間もなく退院が出来る状態だった
カウンセリング室を出た少女の表情には、わずかに疲労がにじんでいた
けれど、閉ざされた影は少しだけ和らいでいる。
廊下の先で待っていたミナが、そっと声をかけた。
少女は小さくうなずきながら、ミナの白衣の袖を少しだけ握った
そのわずかな仕草に、ミナは心の奥がわずかに温かくなる
ナースステーションでは、モモがティーカップを手に少女を出迎えた
そっと出された紅茶の香りに、少女の眉がゆるむ。
チェヨンは横から柔らかな毛布を肩にかけてくれた
少し離れたところでカルテを見ていたダヒョンが声をかける
少女は、うれしいような、少し恥ずかしいような顔をして目を伏せた
退院までの数日間、少女は少しずつ、変わっていった。
朝食を食べられる日が増え、色んな人と会話をするようになった
チェヨンはシーツを直しながら、明るく笑って見せた。
話し合いの結果少女は親戚の叔母さんと一緒に暮らすことになり、退院の日程も決定した
退院の日
ロビーで手続きを終えた少女の前にメンバーが集まってくる。
涙は流さず笑顔で病院を後にした
心のどこかで疼くものを感じながらも、それを仕事に隠して、また次の患者へと向かっていく。



















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!