暗闇から現れて暗闇に消える。
まるでマジシャンのように。
私たちは政府公認組織だとはいえそこまで顔をバラしていい人間ではない。
普段は仮面を被らずフードを深く被り、顔を隠している。
任務が終われはささっと家に帰る。
もしくは、そこら辺にこもって妖霊の見張りなどをしたりする。
そんなふうにしていると自由に見えてしまうだろう。
けど守妖には週に1度、地獄の訓練がある。
だーって、みんなの休みが合うのが日曜日の1回だけなんだもん!
それに高校生と大学生はバイトも普通にしていた。
いいな私も働きたい。(( ただ兄弟と一緒にやりたい人。
ガタンッ
家に帰ったと同時にどこからか物音が聞こえてきた。
李夛と梅葉姉さんは違うが出来て私1人で帰ってきた。
ちらっとリビングを見渡す。
けど、誰もいなかった。
まぁ、私の耳の良さを舐めないでください。
音の主は〜、治療室からだ!
バンッッ
思いっきり治療室のドアを開けた、しかも足で。
これ姉さんだったらガチギレされるんだろうな。
左腕に包帯を巻いている右手を止めて、私の方を振り返った。
呆れたようにいう兄さん。
どうやら家には兄さんしかいなく、治療担当の千佳姉さんが不在だったため、1人で包帯を巻いていたそう。
「手伝うよ」と、そういったがあっさり断られた。
兄さんのことだ。
怪我をするならそのくらいだろう。
あ、でもちょっと待って。
もしそれが " 嘘 " だったとしたら?
思わず聞いてしまった。
私だったら何も触れてほしくない。
きっと迷惑だと思ってしまう。
なんてことを言ってしまったんだろう。
ここで黙っておけば、兄さんだって少しは楽だったかもしれないじゃないか。
ちょっとはだませたかな。
けど、結構な作り話を作ったもんだな。
きっと後で、からかわられるでしょうね李夛。
許してね!( ✌️
この後李夛は号泣案件で凪にしがみついてたとさ!👐
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!