今日は月に一度のバイトしないデー
せっかくなのでこなつとお散歩に行きます
近所の歩いて10分程の大きなドッグラン
こなつのお気に入りでもあるしなにより沢山の犬を拝める場所
そう言ってこなつのリードを外してあげる
すると勢いよく駆け出して行った
そんなアホみたいなことを考えていると1匹の犬に目がいく
こなつと同じように楽しそうに走り回っているハスキー
この地域でのハスキーは珍しい上、目の色は綺麗な青色
そして毛並みも綺麗でイキイキとしている
そんなハスキーさんがこなつに近付いていき挨拶をし始めた
ハスキーさんは元気よくしっぽを振っているがこなつは警戒心MAX
これはいけないと思い飼い主を探す
するとハスキーさんとこなつを凝視している人を発見
飼い主と思われる人に後ろから声をかける
その人は不思議そうに振り向いてくる
茶髪に緑色の瞳、顔は整っていて身長も高い
そしてふと思ってしまったのが
なつ兄とは実の兄、西園寺夏樹のこと
そしてこの人の髪色はなつ兄とまったく同じ、顔のパーツもどことなく似ている気がする
そんなことを考えていると飼い主さんはニコリと微笑んで答えてくれる
その微笑みは優しくとてもじゃないがなつ兄とは別物
分かってる、そんなの当たり前だ
ただ少し似ていただけ。あるあるだろう
そんなことよりこの人が飼い主さんということだ
ニコッと微笑み返してそう伝える
話を共感できる人が居てつい楽しくなってしまう
そんな風に喋っているとこなつとハスキーさんが近づいてきた
言われるがままハスキーさんに合わせてしゃがみこみそっと撫でる
するとしっぽを振りながら気持ちよさそうにしてくれる
一方でこなつは「くるしゅうない」と言わんばかりの撫でられ方
もうちょっと遠慮を...と思ったが気付けばハスキーさんに夢中になってしまっている
つい気になって聞いてしまった
言い方からして女の子だろうか
そんな風に楽しくおしゃべりをする
ふと時計を見ると時計の針は5時にさしかかっている
ブルちゃんから手を離し立ち上がる
飼い主さんは恐る恐る聞いてくる
少し驚いてしまったがすぐに笑顔に戻す
あえて苗字は言わなかった
その言葉で驚いてしまう
多分、表情にも出てしまった
まさか同じ苗字だなんて
驚いた顔をしている自分を見て四季さんは少し不思議そう
慌てて弁明する
あまり悟られないようにいつも通りヘラッと笑う
四季さんは急いでスマホを取り出しプロフィールを差し出してくる
自分もスマホを出して四季さんのスマホにかざす
そう言って四季さんは背中を向ける
それに手を振ると四季さんも同様に振り返してくれた
先程までの笑顔を消し少し俯く
四季さんはなにも思っていなかった
ただ苗字が珍しいことだけ...
だが自分は違う、何かが引っかかる
なつ兄と似た容姿...同じ苗字...
一瞬だけ嫌な想像が浮かぶ
何故か考えてはいけない気がしてその思考を停止する
そのまま少し名残惜しそうなこなつと一緒に帰り道を歩き出した












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!