第31話

過去編5
636
2024/09/06 15:00 更新
渡辺
お待たせ、待った?
阿部__
待った。
渡辺
嘘でも待ってないって言ってよ
阿部__
だって待ったし。
いつもみたいなやり取り。

これがどうも癖になるんだよね。

阿部あなた。

俺が大好き、というかなんて言うんだろう。



惹かれる人間?
一緒にいて楽しいと思えるひと。
そしてずっと一緒にいたいって思えるひと。
渡辺
今日どこ行くの?
阿部__
修行。
…ラーメンって、言ってませんでしたっけ?
渡辺
まじで言ってる?ねぇ?
阿部__
いい汗かこうぜ、たまには
激辛、だと、

いや、嫌いじゃないよ?
べ、つに、得意じゃないとかはないよ?

ぜんぜん、全然、たべっられるよ?
阿部__
苦手でしょ
渡辺
…はい。
彼女に隠し事は無理だ。

白状するしかない。
阿部__
大将、一個辛いの抜きで行けます?
大将
…嬢ちゃんだから、特別だぞ?
すっげぇ、これがコネの力ってやつなのか。
大将
嬢ちゃんはいつものかい?
阿部__
あー、いつもよりちょっと辛めで
大将
はいよ!
ねぇ、今Google先生に店名聞いたらさ...


え、口コミがね?

全部全部全部全部全部ぜぇぇぇぇんんんぶ、


「めっちゃ辛い」

的なことばっか書かれてるんだけど。
でね?


気になる口コミが、
「辛いの抜きって注文したのにかなり辛かった」
...あれ?あれれ?あれれれれれれれれ??
渡辺
ねぇ、ここめっちゃ辛いらしいけど...
阿部__
知ってるけど
阿部__
てか言うほどか?
大将
そんなこと言えんの嬢ちゃんだけだぜ?
大将
ウチの店、激辛で売ってんだから!
大将
彼氏くん、激辛苦手かい?
渡辺
苦手です
阿部__
彼氏じゃないです
渡辺
まだ、ね?
阿部__
生意気なこと言うな?
渡辺
え、だって事実だもん
阿部__
その記憶は抹消したの
阿部__
めっちゃ恥ずいから
大将
息ピッタリじゃないか、お熱いねぇ!
渡辺
そんなこと言われたら、ねぇ?
阿部__
ねぇ?
阿部__
何だ?続きを申してみよ
渡辺
出た!高貴あべちゃん!
たまに高圧的というか平安貴族みたいな感じ?

顔もキリッとしてカッケェの!
大将
はいお待ち!!
大将
ただ・・の!味噌ラーメン!
渡辺
大将強調してません?
大将
してないしてない!
大将
で、こっちが、
大将
唐辛子マシマシ七味マシマシ山椒マシマシその他もろもろマシマシ味噌ラーメン!
渡辺
長っ、そして増しすぎでは?
阿部__
これが美味いんだよ
阿部__
いただきます
小さいことだけど、俺、この人のこういうところに惚れたんだよ。

絶対食前食後は、
いただきます、とごちそうさま、を欠かさない。

正しい、綺麗な箸の持ち方をする。

食事のマナーがしっかりしてるんだよ。


そしてね?
俺が一番惚れたのは、


阿部__
ん〜!最高!

この顔だよ。
この顔見れてる俺は、世界で2番目に幸せなんだと思う。

もちろん1番は、
阿部__
マジで幸せだぁ...
俺が大好きな人だけどね。
阿部__
ん?食べないの?
渡辺
いや?食べるよ?
阿部__
はやくしないと伸びるよ
渡辺
はーい

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