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第1話

1 緑
327
2020/03/28 05:18
「もう構わないでください。みんな...私の事なんて望んでいない」
緑は、兄達のことが好きだが、嫉妬もしていた。銀のテンタクルはエコーでのみしか買えないプレミア感満載。そして金のテンタクルはガチャでしか手に入らない貴重品。
だが緑だけは紫色の欠片で簡単に手に入る。
そのことからマッチングにいけば「緑いらない」「銀が良かった」「金の方がいい」「緑かー」
なんて...緑にとっては日常茶飯事だった。
「俺、金も銀も嫌いだ」
「え?」
「だって、銀は人を傷つける色。俺にとってはそのイメージしかないからな...それに、金は人を狂わせる色だ、金に目がくらんで命を落としてきた人を見てきた、そんなのまともに見てたら金のことなんて素直に受け止めれない」
「だけど俺、緑が好きだ。緑は人を落ち着かせる色をしているからな、俺のフードも緑だからさ、親近感湧くし、だから俺、緑が好きなんだ」
「何言って...!」
「お前の緑色は煌びやかでいいと思うぞ、それに...今、お前は俺の首に手を回してるけど、それが赤色になるなんて俺は嫌だ、お前の色だけが好きなんだ。」
「...」
緑は傭兵の首に回していた手を離すと、傭兵は優しくニッコリと笑った。
「ありがとう、あ、でも...」
「俺、その赤色なら好きかも」
「は、はぁっ?!!」
「ごめんごめん、今度中庭で飯を食おう、休みは土日だ、今日は金曜だし明日でいいか?」
「は、はい...」
「ありがとう、銀や金と違ってお前は優しいな、俺、お前のそんなところが好き」
「付き合ってもないですよ!!」
「そうだった、ごめんごめん...それじゃ、また明日な。」
「は、はいっ...」

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