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第5話

No.5
1,422
2023/10/23 12:41 更新





姉が命を落としてから1週間程たった頃、





俺は仕事復帰をした。








姉が亡くなってから1週間休みをもらっていた、というか休みを取らされた。






ファットガムなりの優しさなのだろう、心を落ち着かせときなと度々メールが来た。







そして、初めて1人で出勤する。






いつも同じ時に仕事に行っていたから、怖いし、寂しかった。











姉がいない俺は、男らしくなんか、ねぇ。







自分でも分かった。





やっぱり姉がいねぇとダメだって。







いつの間にかネガティブなことばかり考えていた。








切島鋭児郎
…ッ、違うだろって、




俺はブンブンと首を振り、玄関に向かった。





そんなんでヒーローやれんのかよ、しっかりしろよ。






ふと、玄関の靴箱の上の鏡を見た。






あなた
「決まってるね、鋭児郎!」
切島鋭児郎
ッ、おう、決まってんだろ





もはや上から聞こえてくる姉の声。






最近は姉の声に反応することが度々。






こんなこと、外でやったらただの変人だけど、






家の中なら、俺と姉だけだからいくらでも話せる。






切島鋭児郎
…いってきます、あなたの下の名前
あなた
「ん、いってらっしゃい、鋭児郎」
あなた
「がんばれ」
切島鋭児郎
おう、






行ってきますと姉に声をかけて、扉を開けた。






1人でも、やってやる。






そして、扉の鍵を閉めて駅に向かった。









切島鋭児郎
…ッ、ふぅ、、




扉の前で立ち止まり、深呼吸をする。






そして勢いよく扉を開けた。





切島鋭児郎
おはようございますっ!




何事もなかったかのようにいつものように元気よく挨拶をする。






変な雰囲気にしたくねぇし、気を使ってもらいたくもねぇから。





ファットガム
久々やな!烈怒頼雄斗!!
切島鋭児郎
おス!!
ファットガム
…無理だけはせぇへんようにな
切島鋭児郎
…ッス!





ファット、優しすぎる。





いつも俺を気にかけてくれて、




助かってます。






ファットガム
そんで、復帰明けで悪いんやけど、今日相棒サイドキック同士のミーティングがあってな
切島鋭児郎
お、そうなんスか
ファットガム
それでメンバーがレッドと同級生ばかりでな、確かチャージズマとピンキーと大爆殺神ダイナマイトだったな
ファットガム
各事務所から一人ずつらしいんや、ほんまはあなたのヒーロー名に任せるところやったが、、、
切島鋭児郎
…ッ、大丈夫っス!俺があなたの下の名前の代わりになるんで!しっかりやってきます!!
ファットガム
お!頼もしいな!ほんならよろしくな!
切島鋭児郎
おッス!





色々説明を受けた。





そっか、上鳴と芦戸と爆豪か、





元々、あなたの下の名前って伝えられてたならなんて言えばいいのか、、








これはもう、正直にあなたの下の名前のこと言うしかないのか。






俺は覚悟を決め、ファットガムに一礼して、集合場所に向かった。






爆豪はよくすれ違うけど、芦戸と上鳴は半年以来か。






久々に会える、という嬉しさもあった。





けれど、姉の代わりが本当に俺で良かったのだろうか。







姉がいないとなんもできねぇのに、大丈夫なんだろうか。







ものすごい不安に襲われた。








あなた
「鋭児郎なら、私の代わり確りつとまるよ!」
あなた
「強い鋭児郎ならできる!」
切島鋭児郎
!あなたの下の名前!!






姉の声が、家じゃなくても聞こえた。







俺の背中を押してくれてる。






うん、そうだよな。






弱音ばっか吐いてたって、なんにも変わんねぇよな。







前を向かなきゃ、俺がしっかりしなきゃ。








みんなを守れるヒーローに、ならなきゃ。








切島鋭児郎
…やってやるよ、あなたの下の名前の分も






空に向かってそう呟いた。

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