そう言ってリビングに戻っていく母さん。
…大丈夫。私にはみんながいるから…
呪文のように心の中でそう繰り返し、少し震える手を握りしめて、私もリビングに向かった。
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ガタッ
私がそう言いかけたところで、父さんが座っていた椅子から立ち上がる。
ダメだ。怖い。また、殴られる、蹴られる。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
カイトの、歌声…
……うん。もう、大丈夫。
ありがとう。カイト。
…わかってるよ、痛いことされるって。嫌でもあなた達にされてきたから。
でも、言わないとなんだ。
大丈夫。自分とみんなを信じろ、あなたの下の名前。
私がそう言うと、2人は静かになる。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!