オスマンとエーミールは冷静に言葉を返す
だが 、 コネシマはどうにも腑に落ちない様子だ
会議は平行線
ゾムは貴重な戦力だから 、 大切にするべきだという考え
ゾムは裏切り者なのだから 、 戦況を踏まえてここで使い潰すべきだという考え
どちらも甲乙つけ難い 。 故に決着がつかない
コネシマが取り出したのは 、 真剣
それはコネシマの愛用しているものだと 、 その場の誰もが理解した
そして 、 同時にコネシマの本気度も
コネシマは 、 本気で武力で対話して黙らせようとしている
誰よりも空気の変化を敏感に感じ取っていた2人が宥める
が 、 もはやそんなものでは収まらない
誰かが武器を取ってしまえば 、 その人に対抗する為 、 誰かが武器を取る 。 そしてまたその人に対抗する為に …
この場はもう 、 会議室ではない 。 一種の戦場だ
この場にいるほとんどの者が武器を取り出し 、 ぶつかりそうになった瞬間
誰かが 、 全員の武器を ” 盗った ”
その者は 、 机の中央に立ち尽くしており 、 足元には全員の武器が転がっていた
そして 、 泣きそうな … 否 、 泣いた声で 、 切実に訴えている
その者の瞳には 、 希望や光といった類は一切映っていない
その瞳が映し出すのは ” 絶望 ” 。 それだけだ
唯一武器を出さなかったグルッペン 。 彼だけは現在 、 唯一武器を所持している
そんな彼の方へ向き直り 、 両手を上にあげる
彼が所持している拳銃なら 、 ゾムを撃ち抜くことなど容易だ
そう言ったゾムの顔は 、 到底表せるものではない
会議室に 、 乾いた音が鳴った












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!