第29話

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2022/07/13 14:23


スニョン
あなた、帰ろ?
u
はーいㅎ


お昼の私は、私じゃない。
あんなの、違う、絶対違う…



スニョン
聞いてる?
u
えっ?あ、ごめんなさい
スニョン
ん?目が赤いよ、どした?
u
あ…えっと、擦っちゃって

廊下を歩きながらまた否定する。

さっきのは私じゃない。



u
結果、いつ来るんですか?
スニョン
あと10日ぐらいかな…
u
…そっか、
スニョン
今日どした?
表情も変だし話も聞いてくれないし
u
クラスで色々あっただけですㅎ
心配させてすみません

ちょうど校門を出た時
スニョン先輩は足を止めた。

私も同じように足を止めて一緒に空を見た。



スニョン
俺、まだあなたのことわかんないんだ。
悲しいことも悩みも半分こできるならしたい。
だから言える時になるまで待つから。
スニョン
あなたには笑顔でいてほしいから




それは私もだよ。




u
ちゃんとまとまったら話しますね
スニョン
うん、待ってる


足を進めては戻りたくなる。

時間も季節も戻って、
もっと早くに出会ってたかった。







u
先輩…好きです
スニョン
えっ…?
u
苦しいぐらい好きなの、ごめんなさい

先輩の袖を引いてそう言った。

涙は堪えられなかった。




スニョン
あなた…


泣く私に先輩は困ったと思う。

告白にしては“付き合って“の言葉もなく、

“好きです“と、悲しそうに言ってしまったから。





スニョン
泣かないで
u
…好き、先輩、ごめんなさい
でも苦しい…好きなのっ、苦しい…
スニョン
ごめん、俺がごめん


私の手を力強く握って進む先輩は
何も言わずに家まで送ってくれた。


最後まで離したくなかった手は
空気が冷たいと感じるほど温もっていた。





スニョン
また明日ね、今日は早く寝て?
u
…はい
スニョン
ごめんあなた。また話そう


バイバイ、と言ってから今日はすぐに家に入った。

こうもなるとは思ってなかった。

今日の私は私じゃない。

今日全部。そう、全部。




なんでこんなに溢れ出ちゃったんだろう。



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