華野「……ただいま、」
そう声を出してみても誰からの返事もない
私の親は私が中学生の時に事故で亡くなった
それから私は一人だった………あの人が現れるまで、
_3年前_
華野「…………」
お父さんとお母さんが空へと飛び去ってしまった
事故にあったのは、私もなのにっ……
モブ「あの子は生きてるのよ、両親だけいなくなっちゃったんだってさ、」
モブ「可哀想ね、一人だけ残るなんて…」
皆好き勝手言い放題、
私だって好きで生き残ったわけじゃないのに…
その日の記憶は殆ど無い
どうやって家へ帰ったのかも憶えてない
でも、1つだけハッキリと憶えてることがある
勝利「……君、大丈夫?」
勝利「そんなとこでなにしてんの?」
華野「………親、いなくなったの…」
勝利「……そっか、帰るとこは?」
勝利「一人なの?」
華野「…コク))」
勝利「……家、来る?」
今思えば、そこでついて行くのは危なかったかもしれない
でも、一人だった私には救いの光にしか見えなかった
彼のおかげで今の私がいる
勝利「ごめんね、先に帰ってたか、おかえり!」
華野「…ただいま、」
"おかえり"って、"ただいま"って言える関係があるって当たり前だけど、幸せなこと…
勝利「んふ、可愛い…ぎゅ))」
でも、私達の関係は世間から見たら、イケナイ関係…
だって、彼は私の担任だから
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!