布団から体を起こして扉の方を見てると、お父様ともう1人、少年と言えるくらいの人が居た
頭を下げてそう自己紹介をしてくれた
お父様は仕事で屋敷には居ない
帰ってくるのは月1~2程度だ、それを気にしたのだろう
食事を運んでくれた石蕗さんが、扉に行かず横たわってる私の方を見た
それから、色んな物で遊んだ
あやとり、しりとり、物語を教えてくれたり、手作りの玉でお手玉もしてくれた
目の前の庭から目を反らして、石蕗さんの顔を見る
立って縁側に行ったと思ったら、傘を持って私の前に座った
どう返答すれば分からない
雪の結晶と青い花が付いてる簪が綺麗で、言葉が出てこなくて戸惑ってると、石蕗さんが口を開いた
驚いて顔をあげると、石蕗さんが柔らかく軽く微笑んでいた
石蕗さんが後ろに回って、髪を優しく手で解かしてくれる
人に髪を触られるなんて、しかもこんな優しく
始めてじゃないかしら
お母様は、写真でしか見た事がない
私を産んだ時、亡くなってしまったらしい












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!