- 渡辺 side -
絶対めめを探し出す。
その一心で俺はめめを探し続けた
なんでも1人で抱え込んじゃうめめのそばに居たいから。
ほんとにめめを愛しているから。
その夜もいつもの様にめめを探そうと家を出て、歩き回っていた。
シェアハウスの近くには、結構大きめの川がある。
そこにかかる橋に人のシルエットが見えた。
その人は橋の柵に足をかけ、今にも橋から落ちそうだった。
咄嗟に俺は叫んだ。
渡辺 「やめてっ!!、」
その人は、びくっと震え、俺の方に振り返った。
思わず俺は口にした。
渡辺 「俺でもよければ、話とか…聞くけど。」
渡辺 「寒いし、これでも着れば、?」
自分の羽織っていた上着を脱ぎ、その人にかける。
暗闇でよくわからないが、高身長で若めの男の人。
さっきからまったく言葉を発さずただただ俯いている。
?? 「あの…、ありがとうございま、っ…」
…え、?
声が、めめの声に、そっくり…、
めめの声にそっくりな人も、言葉を失って止まっていて、
俺はすべてを悟った。
目の前にいる人はめめで間違いない。
目黒 「渡辺くん、、?」
…え、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!