あなた 「 待って、寒… 」
さて、私は今現在、自室に向かって
ブルーロック内の廊下をトコトコと歩いているわけ
だが、寒くて仕方がない。
なるべく足早に向かってはいるが、
それでも大浴場から自室までの距離は遠い。
あなた 「 ひっ… !? 」
すると、妙に冷たい手で背中をつーっとなぞられる。
急いで其方に目をやると、目の前に立つ
その人物に、私は絶望した。
士道 「 サ・ザ・ナ・ミチャーン?
この前はどうも俺から逃げてくれて
ありがとう♪ 」
あなた 「 最悪だ… 」
士道 「 感動の再会の一言目がそれかぁ??
相も変わらず冷酷女王なこって♡ 」
冷酷女王とか…ほんとなんの仕打ち?これ。
私なんか悪いことした??
あなた 「 そっちこそ、
こんな時間に私に何か用でも? 」
私がそう言い放つと、士道さんはそろりそろりと
こちらに歩みを進め、そして口元を歪ませた。
士道「べっつにー?
夜にこんな無防備な格好で出歩くなんて
ちょーっと危機感が足りないんじゃない?
なーんて思ってないよ」
あなた 「 私が好きでこの格好で出歩いてると? 」
士道 「 まっさか!そんな訳ないでしょ
逆にー、俺がマジで優しさで
注意してあげてると思ってんのーん? 」
あなた 「 あー、確かに。
そういう人なの忘れてました 」
一進一退、まさにこの言葉通りに
こっちに向かってくる士道さんと、
一歩ずつ後退する私。
士道 「 ん" ーーーーーー… 」
ようやくこっちに向かう足を止めたと思いきや、
次は私の体を舐め回すように見つめる。
あなた 「 用ないなら帰っても? 」
士道 「 いーや違う違う!
やっぱサッカー経験者の匂いが
プンプンするなーってね? 」
あなた 「 そりゃまあやってましたし… 」
士道 「 ホントはこのまま襲ってあげようと
思ったんだけどさあ?
あまりにも俺を爆発させてくれそうだから 」
" 一緒にサッカーしてくれたら見逃す "
そんな条件を出され、嫌々練習用コートに向かって
歩いている私たち。
( ジャージは士道さんが貸してくれた。)
士道 「 彼ジャージ??っていうのコレ
思ったよりクる… 」
あなた 「 黙れ変態 」
士道 「 そんなピーリピリすんなよ、女王様♡ 」
いちいち鼻につく発言をするものだから
後ろから締めてやってもいいと思ったが
後から色々面倒くさそうだし我慢した。えらい…
士道 「 あー待って!!言うの忘れてた
俺が勝ったら俺のお願い
なんでも一つ聞いてね? 」
あなた 「 ……は?それは聞いてないけど。 」
士道 「 そのまた逆も然ーり♪
サザナミちゃんが勝ったら
なんでもお願い聞いてあげる 」
いやいや。既に引退済みの女子が現役の選手に
かてるわけがなくない?おかしくない?
あなた 「 …まあいいや。最初っから勝ちが
見えてる試合よりは燃えるしね 」
トン、とボールがこちらに優しく蹴られる。
彼の顔をちらりと覗くと、鋭い眼光をこちらに向け
口元を歪ませて、私の次の行動を待っている様。
__勝てる気はしないが、負けるつもりも無い試合。
ドン、と地面を力強く踏み込んだ音が、
フィールド上に響く。
? 「 ………… チッ… クソ触覚が… 」













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!