第84話

危険人物
14,948
2024/06/02 05:23 更新






 あなた 「 待って、寒…  」








 さて、私は今現在、自室に向かって
 ブルーロック内の廊下をトコトコと歩いているわけ
 だが、寒くて仕方がない。






 
 なるべく足早に向かってはいるが、
 それでも大浴場から自室までの距離は遠い。










 あなた 「 ひっ… !? 」










 すると、妙に冷たい手で背中をつーっとなぞられる。
 急いで其方に目をやると、目の前に立つ
 その人物に、私は絶望した。








 士道 「 サ・ザ・ナ・ミチャーン?
    この前はどうも俺から逃げてくれて
    ありがとう♪ 」








 あなた 「 最悪だ… 」









 士道 「 感動の再会の一言目がそれかぁ??
      相も変わらず冷酷女王なこって♡ 」









 
 
 冷酷女王とか…ほんとなんの仕打ち?これ。
 私なんか悪いことした??









 
 あなた 「 そっちこそ、
       こんな時間に私に何か用でも? 」









 
 
 私がそう言い放つと、士道さんはそろりそろりと
 こちらに歩みを進め、そして口元を歪ませた。









 士道「べっつにー?
    夜にこんな無防備な格好で出歩くなんて
    ちょーっと危機感が足りないんじゃない?
    なーんて思ってないよ」









 あなた 「 私が好きでこの格好で出歩いてると? 」










 士道 「 まっさか!そんな訳ないでしょ
      逆にー、俺がマジで優しさで
      注意してあげてると思ってんのーん? 」











 あなた 「 あー、確かに。
       そういう人なの忘れてました 」










 一進一退、まさにこの言葉通りに
 こっちに向かってくる士道さんと、
 一歩ずつ後退する私。








 
 士道 「 ん" ーーーーーー… 」











 ようやくこっちに向かう足を止めたと思いきや、
 次は私の体を舐め回すように見つめる。











 あなた 「 用ないなら帰っても? 」











 士道 「 いーや違う違う!
      やっぱサッカー経験者の匂いが
      プンプンするなーってね? 」










 あなた 「 そりゃまあやってましたし… 」











 士道 「 ホントはこのまま襲ってあげようと
     思ったんだけどさあ? 





    あまりにも俺を爆発させてくれそうだから 」













 " 一緒にサッカーしてくれたら見逃す "







 そんな条件を出され、嫌々練習用コートに向かって
 歩いている私たち。
 ( ジャージは士道さんが貸してくれた。)




 




 士道 「 彼ジャージ??っていうのコレ
      思ったよりクる… 」









 あなた 「 黙れ変態 」









 士道 「 そんなピーリピリすんなよ、女王様♡ 」










 いちいち鼻につく発言をするものだから
 後ろから締めてやってもいいと思ったが
 後から色々面倒くさそうだし我慢した。えらい…










 士道 「 あー待って!!言うの忘れてた
      俺が勝ったら俺のお願い
      なんでも一つ聞いてね? 」










 あなた 「 ……は?それは聞いてないけど。 」










 士道 「 そのまた逆も然ーり♪
      サザナミちゃんが勝ったら
      なんでもお願い聞いてあげる 」








 いやいや。既に引退済みの女子が現役の選手に
 かてるわけがなくない?おかしくない?










 
 あなた 「 …まあいいや。最初っから勝ちが
       見えてる試合よりは燃えるしね 」











 トン、とボールがこちらに優しく蹴られる。

 彼の顔をちらりと覗くと、鋭い眼光をこちらに向け
 口元を歪ませて、私の次の行動を待っている様。









 
 __勝てる気はしないが、負けるつもりも無い試合。










 ドン、と地面を力強く踏み込んだ音が、
 フィールド上に響く。

 

 









 ? 「 ………… チッ… クソ触覚が… 」





プリ小説オーディオドラマ