スマホが震えた。
Fukaseは画面を見る。
「……来た」
小さく呟く。
全員の視線が集まる中、メッセージを開く。
送り主は――
大森元貴。
Fukaseはそのまま読み上げた。
「“俺の知能はほぼ使ってない。あなたができないことをヨルはクリアしてくれただけだよ”」
ヨルの目が大きく揺れる。
Fukaseは続ける。
「“相談するなら、大森元貴かヨルにすれば楽になるからね”」
その場の空気が、一瞬止まる。
Nakajinが思わず笑う。
「いや、ヨルすごすぎない?」
半分冗談、半分本気。
そのとき、Fukaseの表情が変わる。
「……まだある」
続きを見る。
そして――
「“SEKAI NO OWARIとMrs. GREEN APPLEでタッグ組んだバンド、作らない?”」
全員が固まる。
「は?」
思わず声を出したのはNakajin。
DJ Loveも顔を上げる。
Fukaseはそのまま読む。
「“共同グループは作る。でも個人のグループ――SEKAI NO OWARIもMrs. GREEN APPLEもそのまま続ける”」
静寂。
「“そうすれば、また全部クリアになるよ”」
読み終えた瞬間、
空気が一気に変わった。
「……スケールでかすぎだろ」
Fukaseが思わず笑う。
Saoriは腕を組みながら、
「でも、面白い」
と、静かに言う。
その目は、本気だった。
「新しいことやるなら、それくらい振り切ってもいいかもね」
Saoriの言葉に、空気がさらに動く。
Nakajinは少し考えてから、
「現実的には大変だけど……」
と前置きしつつ、
「成功したら、やばいな」
と呟く。
DJ Loveは――
「合同ライブ……屋台……」
やっぱり食べ物のことも考えていた。
ヨルはその様子を見て、少しだけ息を飲む。
自分が動いたことで、
ここまで話が広がっている。
Fukaseはゆっくりと顔を上げた。
「……ヨル」
名前を呼ぶ。
「これ、どう思う?」
試すんじゃない。
ちゃんと“仲間として”聞いていた。
ヨルは一瞬だけ考えて――
そして、まっすぐ答えようとした。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。