敵を恐れる事など、今までのスパイ経験では無かった。なのに今、目の前にいる敵にこれ程までに打ちのめされそうな自分がいる。
バン!とフォールハイトが打った弾を素早く避ける。
そう言いながらフォールハイトに刀を突き立てるが、依然として彼は体を逸らすことに成功している。
フォールハイトがはっと驚いた顔をする。
ロイドが感じるのは、フォールハイトから伝わってくる狂気じみた感情だ。
あのデズモンド家の息子達のテストを改ざんしようとしていた、とんでもなく隠れるのが下手なヤツ!!
剣が胸の辺りをかすむ。もはや接近戦にまで持ち込まれている。
ロイドが奪ったのは、フォールハイトが腰に携えるピストル二本。
しかし…。
ロイドは腹と足に食らった弾で、もう動けなくなっていた。
子供が泣かない世界…、それを作りたかった。
幼い頃、故郷の街は戦争によって失われ、それからずっとスパイとして働いてきた。
戦争が起こる前に食い止める。それが任務のはず…だったんだけどな。
オペレーション梟(ストリクス)もその一部だ。そのおかげで家族ができたのに。ごめんな、アーニャ。ヨルさん。
覚悟を決めた時、堂々とした足音が近づいてきた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。