〈 関係 〉
宮侑➞➞➞あなた 片思い
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宮侑side
突然やけど
俺には好きな子がおる
その子は
芸能界いけるんちゃうんか?ってくらいべっぴんさんで
学業もスポーツもどちらとも常に学年トップで
周りをよく見ていて
まあ他にも色々あるんやけど
分かりやすく言えば俺とはかけ離れた感じの
"完璧人間"や
顔よし、性格よし、ポテンシャルよし
そんな子に惚れんやつがどこにおんねん!!!!(
でも昔っからずっと不思議に思っとった事がある
1年の初めっから今まで1回も
あなたさんが笑っとる所を見た事がないねん
それだけは昔っからほんまに不思議やった
だって普通に考えておかしいやん
別に俺らを警戒しとる様子もあらへんし
この2年の間にあなたさんと誰かがなんか衝突したとかもあらへんし
ほんまになんでなんやろか
よし、手っ取り早く本人に聞いてみるか
今日はたまたま部活がオフだったため
放課後俺はあなたさんがいつもおる
図書室に向かった
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予想通りあなたさんは無駄に広い図書室に
1人ぽつんと本を読んでいた
あなた 「 …? 」
この時間帯に図書室に来る奴はあんまおらんのんやろか
あなたさんは俺を不思議そうに見つめる
宮侑 「 と、となり座ってもええですか、…? 」
改めて近くで見るとあまりの美貌にやられそうになる
そんな気持ちを押し殺しながら恐る恐る言葉を発する
あなた 「 …?ええですよ 」
「 こんな時間に珍しいですね、」
宮侑 「 実は、あなたさんに1つ聞きたいことがって… 」
「 ええですか、? 」
あなたさんは少し驚いた表情をしながらも
あなた 「 どないなさったんですか? 」
宮侑 「 あなたさんってザ・完璧人間って感じやのに 」
「 これまで1回も笑っとる所を見たことがなくって、」
「 なんか、その…理由とかあるんかなっておもて、… 」
あかんむっっっちゃ緊張するねんけど…
俺今日本語ちゃんと話せとるかな、
あなた 「 … 」
あなたさんは少し俯き、言葉を発しなくなった
宮侑 「 あッすんません、!初めてなのに勝手に…!!!!!!!! 」
…
先に沈黙を破ったんはあなたさんやった
あなた 「 …少し暗い話になるけど、」
「 ええですか、? 」
宮侑 「 え、いや、全然大丈夫です…!! 」
正直ほんまに話してくれるとは思わんかったから
なんか嬉しかった
あなた 「 私の両親、自分が物心がつき始めた頃に」
"交通事故で私を庇って亡くなったんです"
…え?
さっきまでの喜びは
あっちゅうまに消えてった
宮侑 「 …そ、それってどういう…、 」
あまりにも突然だったため思わず言葉が詰まる
あなた 「 私があの時車に乗ってさえいなければ 」
「 両親はまだ生きてたはずなんです 」
「 私が両親を殺したんです 」
「 そんな人殺しが 」
「 生きてていいわけないんです 」
「へらへらと笑っていいわけないんです」
「 私には生きる価値も笑う価値もないんです @笑_。 」
そう言いながらあなたさんは俺に初めて初めて笑みを零す
その笑顔からは
"辛い"
ただその感情しか
読み取る事が出来なかった。
なんやろな、
こんな近くにおるのに
こんなに存在が遠く感じたんは
初めてや。
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【⠀悠遠 】
所または時が、はるばると見やるほどに遠いこ と。
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!