「いーよ。私黒でいい?」
「うん!、、、ねえ!かけしない?」
ふと思いたったように四宮たまきはそう言いだした。
「なんのかけ?」
「負けたら罰ゲームとか!」
「罰ゲームって?」
「、、、負けたら、、秘密暴露とか笑」
「別にいいよ笑」
そして、私たちは負けたら秘密を暴露するという罰ゲームを背負いながらオセロをしはじめた。
正直秘密事はもうない。負けてもいいと言う感覚だった。
私たちはふざけずに案外、真剣にオセロをしていた。
四宮たまきはとても弱かった。
いや、私にはわざとにも見える。まぁ、多分気のせいかもしれないけど。
オセロは私が圧勝した。
「うーーわーー!負けたー」
「ちょっと!本気でやった?笑」
「やりましたよー笑」
そう言って四宮たまきは笑っていた。
「じゃあ、秘密暴露だっけ?」
「そうだよ笑なに暴露してくれるの?」
私は少しだけ気になっていた。
ただの面白い秘密を暴露する。
そんな子供みたいな罰ゲームだろうと思っていた。
いや、私がそう望んでいただけだったかもしれない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!