第21話

❥貴族街
40
2025/09/21 05:05 更新










露店の並ぶ通りで、焼きたてのパンや果実の甘い香りが漂い、子供たちの笑い声が石畳を弾む。




私は買ったばかりの温かいパンをかじりながら、なんだかんだでこの街の活気を楽しんでいた。




あなた
……ねぇ、ちょっと寄り道していかない? 
あなた
ほら、あそこの広場

天夏レイ
天夏レイ
駄目です

あなた
ぶぅぅ…





レイの即答に、肩をすくめる。




あなた
でも、任務任務って顔ばっかしてたら、逆に怪しいんだからね?

天夏レイ
天夏レイ
先輩……





ため息交じりに返しながらも、レイの口元はわずかに緩んでいた。





やがて、城下町の賑やかな道は途切れ、鳥居が奥に何重もそびえ立つ。



そこを境に、街の空気は一変した。




衛兵の鎧は、城下町のものよりも格段に精緻で、鋭い視線を向けてくる。





レイが懐から通行証を取り出し、淡々と掲げると、兵は一度だけ目を細めて頷き、道を開いた。





鳥居をくぐった瞬間、思わず足を止めた。




そこに広がっていたのは、整然と整えられた和風の大通り。





両脇には大きな木が並び、枝には白や薄桃の桜が咲き誇っている。



川には赤い橋がかかり、桜の花びらが浮く水面は朝日に煌めいている。




並ぶ建物は昔のお城のような構造で、全て彫刻や金細工で飾られていた。




道行く人々は華やかな服装に身を包んでいる。



皆、貴族や兵士なのだろう。




天夏レイ
天夏レイ
……すごい。此方は同じ街とは思えないですね

あなた
ここからは貴族街だね





肩を竦めつつも、内心は強張っていた。





強大な力を持つ貴族達が住む街____貴族街。




高くそびえ立つ建物は、私達を圧倒しこれからの任務の重さを物語っているようだった。








すみません、お待たせしました。




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