インターフォンの音と共に玄関へ駆ける
ドアの先に居る彼をリビングへ迎え入れた
出かけたままのカバンから病院でもらった証明書を出す
ないちゃんは少し不思議そうな顔をしているように見えた
ないちゃんを見ているとメンバーを思い出してしまう
笑い合った日々は、ネットを見ていた時よりずっと楽しかった
自分の首を指差し話しかける
窒息が1番いいだろう
血が見えることもないし、人を刺す感覚を感じることもないから
首に暖かさが触れる
あまり力を込められないまま数分が経過した
涙が溢れ視界が滲む
よく見えないが、ないちゃんも泣いているのだろう
涙声が耳に届いていた
少しずつ首が絞められてゆく
ずっと昔に経験した死が近づいてきた
顔が腫れたように熱くなる
薄れゆく意識の中思考を巡らせる
僕は、500年以上も生きてきて何か残すことが出来たのだろうか
物を渡しても相手が死んでしまった
愛情なんて形にも誰の記憶にも残らない
思えば無意味に長く生きた人生だった気がしてならない
長く生きたおかげで出会えた大切な人も悲しませ、苦しませて
いや、あぁ。そうか
いれいすだ、歌だ
ネットに上げたものはこれから何十年、何百年と残されるだろう
そのきっかけをくれたないちゃんの温かみを感じながら意識を落とした
みんな、ありがとう
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。