綾芽と喧嘩した次の日、綾芽が病院の屋上から
飛び降りたらしい。
病室には「藍ちゃんにごめんね」と書かれた紙が
あったということを親御さんから聞いた。
綾芽はあれから数週間たった今も意識不明の重体で結構危険な状態でもしかしたら死んでしまうかもしれないということも聞いた。
私はその話を聞いたときに
「誰かが舞に指示していたんだ」
ということに気づいた。
ちなみに舞はすぐ治ったらしく、
血が出ていると騒いでいたけれど
頭から血が出たのではなく、
あれは舞が自分の唇を噛みしめていた時に
出た血らしい。
この話は学校の中でかなり有名で
私はヤバい人扱いだ。
痛い痛いと叫んていだのも演技だそうだ。
この話はクラスメイトから聞いた。
昼沢さんといえば、クラスの中でも浮いていて
いつも一人でいるイメージがある。
一人でも堂々としているからよく陰口を
言われていた気がする。それは私も同じか…
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〜職員室〜
コンコンッ
一瞬、ほんの一瞬私の心臓が跳ね上がった。
先生から綾芽の話をしてくるとは
思っていなかったからだ。
何を言っているのか全く分からなかった。
パシッ
殴られた。頬を思いっきり。
血が出ている。
殴られたところがヒリヒリして痛い。
私は先生の言葉を無視して職員室を後にした。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!