寝て、起きて。また寝る。
日に日に起きていられる時間は減っていって、残り時間の少なさを悟った。
なんて呑気に考えたりもする。
俺の 人生 は起承転結の 承転 をくり抜いたように空っぽだ。
悔い。
その二文字を考えようにも思いつかない程に体は弱ってる。
残りの楽しみは ''俺の死'' がどのくらい誰かの尾を引くか想像するだけ。
己のことながら性格が悪いなぁ…なんて。
瞼が閉じ、腕がぶらんと力なく垂れ落ちる。機械が煩く鳴り、 ''あなた'' が静かになったことを医者達に伝えた。
気付けば、いつか見た物語に出てくる学校の教室で授業を受けていた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!