空き教室のドアが、
誰かによって開かれる。
ヒーロー基礎学とか私は
興味がないからどうでもよくて。
だから、空き教室の机に寝っ転がって
スマホを触ってた。
私の隣に来た相澤は、
猫のように素早くスマホを奪った。
罰って……。
本当に最悪なんだけど。
相澤は
「 ほら、起きろ 」
と言って私を起こす。
相澤は大きくため息をついた。
聞こえてるよ、ねぇ。
せめて聞こえないようにしてよ。
だから何よ。
私は仲良くするつもりなんてないし。
あの子達が勝手に仲良くしたいって言って
近づいてるだけじゃん。
私は仲良くする気ないって最初から
言ってるもん。
なに相澤に言ってんのよ。
あの状況で話さない方が
おかしいでしょ。
そう言うと相澤は、
少し頬を赤らめて私の頭に
手を置いた。
え…なに?
セクハラなら訴え__
頭を撫でられた。
え本当になに?
何が目的なの?
頭を撫でられるだなんて
久しぶりだから恥ずかしくて、
少し横を向いた。
…なんで
「 逃げてるだけで、きっと本当はできる 」
とか言えるんですか?
そんな言葉は、喉に引っかかったままで。
相澤に伝わることなんてなかった。
なんか、変な感じ。
ねぇ、相澤。
あなたはどこまで私のことを知ってるの?













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。