不和が教えてくれた華厳の滝跡地研究所の概要はまとめるとこうだ
10階建てで桃の隊員は4~500人程度
何かの運搬用と見られる飛行船が3機
出払っていた最後の一人のメンバーが見取り図を戻ってきたらしい
話を聞く限り潜入は難しいように思えるが…真澄みたいに透明化やそれに近い能力か?
蛭沼という男が前に出した腕の皮膚からかなり大きなヒルが数顔を覗かせた
ヒル…確かに、これなら僅かな隙間さえあれば潜入は用意だな…
ヒルの言ってることが分かるのか?生き物を媒介にした血蝕解放?
というか生き物と話せるの夢があるな…話せる生き物がヒルなのは別として
蛭沼のヒルはかなり優秀らしく、見取り図以外にも研究内容があると思われる扉の話、死体運搬の現場まで押さえていた
「「「関係ない」」」
そう何の躊躇いなく全員が言い放つ
本当に…何の迷いもないハッキリとした答えだ
目的___桃の根絶のためならどれだけ不利な状況だとしても足踏みするわけにはいかないのだと、鬼の命を弄ぶのなら尚更だと、等々力が声高々に張り上げる
その気迫に矢颪は圧倒されたように黙り込んでしまう
そんな矢颪を他所に鳥飼は淡々と作戦を説明していく
そう言うと等々力は階段を上るとどこかへ行ってしまった
休めと言われても慣れない土地、知らない人間、ピリピリと薄く張り詰めた緊張感
戦場で、常に死と隣り合わせ
死が、現実味を帯びていく
…教職をしていく中で、知らず知らず “普通の生活” に絆されていたんだろう
今は…少しだけ、本当に少しだけ…
死ぬのが怖い












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!