第59話

#58🩵🧡「浮気」
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2026/05/08 13:16 更新


悠side.







彼氏と喧嘩した。

大喧嘩なんていつもの事なのに。

手をあげられることも普段と変わりないのに。




恐怖から家を飛び出してしまった。

謝らないと悪化するばかりなのに。








最近おかしいと思っていたけど、やっぱり俺の彼氏は

手を挙げてくるタイプの人で。

思い出すだけで身体中が恐怖に怯える。

寒い訳でもないのに震えて。







🧡
あろは…っ……
家の前にしゃがみ込んで、彼の連絡先を押す。

今から押しかけてもいいかな。




今更連絡することも嫌になって、

インターホンを押した。




家の中には仄かに明かりが灯っていて。

静かに音を立ててドアが開かれる。
🩵.
ハル?…こんな時間にどうしたの?
アロハの姿を見て安心してしまったのか、目頭が熱くなる。

思わず抱きついて、顔を隠すように彼の胸に埋めた。
🧡
うっ”…ごめっ、…喧嘩ッ、しちゃって
🩵.
赤くなってるじゃん…叩かれたの?
震える体を抑え込むように強く抱きしめられる。




ズキズキと痛む頬を優しく撫でてくれる。

ゆっくり頷けば、俺の求める言葉をかけてくれて。
🩵.
大丈夫だよ、今日は俺と一緒に居よ?
家の中に入れてくれて。

かすかに暖かい部屋のソファに腰を下ろせば、

体にまとわりついていた物が解けていく感じがして。



スマホが鳴り続けているので、電源を切った。

彼氏は嫌だ。

今日はアロハがいい。

本当はここにいてはいけないのだけど、

戻るのはとてもできなくて。
🧡
あろ、ッ…は、
🩵.
また辛くなっちゃった?
そういって腕を広げてくれる。


吸い込まれるようにまた体を預けた。
🧡
帰り、たくないッ…!
本音が、強く溢れ出す。


背中を撫でてくれていた手が一瞬止まった。
🩵.
それほんと?なら帰さないけど。
🩵.
俺、ハルのこと狙ってるよ
🩵.
それでも帰りたくない?
狙われていることなんてずっと前から知ってる。

それでも帰りたくない。




彼氏と一緒にいて叩かれるくらいなら

アロハと一緒にいたい。

安心感もあって……



ぽろぽろと涙がこぼれ落ちていく。





俺は多分……彼氏より
🧡
アロハが好き…っ






🧡
だから、ここに…ッいたいっ…
アロハの服をぎゅっと掴んで。

溺れそうな程零れる涙をもう抑えることはできなくて。
🩵.
じゃあ浮気しちゃう?
ふと投げかけられた提案。




あんな彼氏よりアロハの方が何倍もいいに決まってる。

一緒にいて辛いくらいならアロハと浮気する。
🧡
する、っ…あろは、がいいっ…
🩵.
じゃあ今日から俺も彼氏。
🩵.
だから泣かないで。
彼の袖で涙を拭ってくれて。


安心からか、嬉しさからか、笑顔が湧き出てくる。




🩵.
やっと笑った。
🩵.
ハルは笑ってた方が可愛いよ
アロハの唇がそっと、俺の唇に触れた。










アロハside.








またハルが彼氏と喧嘩して。

今回も手をあげられて、頬を真っ赤にさせて

俺に助けを求めてきた。




俺を見て涙を流して。

とても見ていられなくて家にあげた。
🧡
帰り、たくないッ…!



ハルを抱きしめて。

そんなことを口にされた時。


俺の心臓はぎゅ、っと締め付けられて。





俺なら絶対そんな思いさせないのに。

泣かせないし、悲しませたりしない。
🩵.
浮気しちゃう?
断られると分かっていた提案。




ハルの動きが一瞬止まって。
🧡
する、っ…あろは、がいいっ…
初めて俺を選んでくれて。




そっと唇を重ねても、嫌がったりはしなくて。
🧡
あろは、っ…!好きだよ…?
潤んだ瞳でそう見つめてきた。

初めてを奪うことができなかったその唇に

指を当てる。







もう二度と、奪わせないと

ひとり心の中で誓った。

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