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第1話

1.
888
2020/10/27 11:47 更新
まふまふ
『死にたい』
最新型のスマホ画面に映るのは、そんな4文字。
この世界はもう、『死にたい』で溢れかえっている。

僕__相川 真冬もその一人だけれど。
まふまふ
よし、投稿…っと。
____
まふまふ@10/14ドームライブCD発売
@uni_mafumafu

命に嫌われている。 / まふまふ(You Tubeより)

新作の歌ってみたを投稿しました。
よろしくお願いします。
 ̄ ̄ ̄ ̄
「投稿」と書かれた文字を指先でタップし、Twitterを閉じる。

同時にパソコンで開いていたYou Tubeのページに目を移した。
まふまふ──それがもう一人の僕。相川 真冬とは違う、白いふわふわの髪とほっぺのバーコードが特徴的な、ネットの天使。

ふう、と溜め息をつき、概要欄に明るく綴られた絵文字の羅列を指でなぞる。
まふまふ
大丈夫。今日も僕は、“まふまふ”だ。
“相川 真冬”は天使なんかじゃない。自分本位なエゴイストで死にたがり。誰にも届くことのない声を、ぼそぼそと零すような存在。

「死にたい」なんて言うなよ。諦めないで生きろよ。
…そんな歌が正しいなんて馬鹿げてるよな。

ふと、今日投稿した曲のワンフレーズが頭に浮かんだ。本当、その通りだ。
馬鹿げてる。人生は馬鹿げてる。
そうやって全部人のせいにして逃げる僕自身もきっと、馬鹿げてる。

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