俺たちは6人で集まり、円陣を組む。
ドンッ!
銃の音が校庭に鳴り響く。
俺はその音と同時に走り出して、三輪の元へと走る。
この日のために練習した。C組の練習を見たことがあった。俺では勝てないと思った。
だからあの日からずっと、鉄と仁と一緒にひたすら練習しまくった。
最後のリレー。負けたくなかった。
練習じゃない。やり直しもきかない。
本番なんだ。
足が痛くなってもいい。せめて上位に入れれば……!
正直言って、俺がリレーに出るべきではなかったと思う。
足はクラスで遅いほうやし、俺より足の速いやつなんて何人もいた。
それでも、出ていいと思った。最後だから。
テンメーと、シバと一緒に、大勢の前で、一位を取ったら、その時はどんな気持ちなんやろうか。
気になる。気になるから、確かめる。確かめるために、俺は練習した。
それでも、一ヶ月でそれほど変わる訳ではない。
80m走るだけでこんなに息が切れる。もっと走っておけばよかった。
でももう遅いから。だから、二人に託すしかない。
テンメーの手に向かってバトンを渡す。
——スカッ
空振った。練習じゃ上手くできてたんに。
でも、諦めたくない。
このままバトンも一緒に転んだら、確実に最下位にまで落ちる。
だからせめて、バトンを投げて……
転ぶ前に一瞬見えた先の景色。テンメーの手に、バトンが渡される。
俺じゃ、3位から1位まで上り詰めることはできない。良くて2位。
だから、せめてそこまで。
ただ、ひたすら本気!
前にいるC組のアンカーを、抜かすだけだぁああああ!!!!
1位になるのは、A組だあああ!!!













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。